2012 Fiscal Year Research-status Report
地域在住女性に対する尿失禁予防・改善にむけた包括的プログラムの構築に関する研究
Project/Area Number |
24593461
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中田 晴美 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (90385469)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地域看護学 / 尿失禁 |
Research Abstract |
近年、QOLや性差に特化した医療が推進されており、その中でも注目されているのが尿失禁である。尿失禁を経験している女性は、社会活動やQOLが著しく阻害されているにも関わらず、医療機関を受診する女性はごくわずかである。女性にとって尿失禁は羞恥心を伴うものであるため、誰にも相談できず放置したり、書籍やインターネットを用いて、尿失禁に関する情報収集を行い、自己流の誤った対処方法を実践していることが危惧される。よって本研究では、地域在住女性への尿失禁に関する正しい知識の普及および、尿失禁の予防・改善にむけた保健行動の定着を促す支援プログラムを開発することを目的としている。 平成24年度は、地域在住女性における尿失禁予防に関する現状とそれに関連する情報探索方法の実態を明らかにするため文献等から検討した。先行研究によると、成人女性の30~40%が尿失禁を経験し、さらに約300~500万人が治療を必要していると推測されている。また、女性が疾患や健康問題に関する情報を探索するツールとして最も多いのはマスメディアであり、中でも新聞、TVが多く、その他、インターネット、医療機関、家族・友人、書籍等であった。加えて、女性泌尿器科患者の情報探索方法も、新聞、他院からの紹介、インターネット、TV、家族・友人からの紹介が多いことが分かった。一方、いずれの健康問題に関わらず、予防や治療方法に関する知識が得られていても、予防方法を実践していない者が多く、特に高齢者は加齢に伴う変化のため「何をしても仕方がない」とあきらめて放置しているという現状が明らかとなった。 この結果を踏まえ、次年度は地域在住女性の尿失禁や予防に対する認識、情報探索方法の現状および、年齢による相違について実態を把握することで、いかなる情報や知識、体験を通すことが、尿失禁予防・改善にむけた保健行動につながるのかについて検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、地域在住女性への尿失禁に関する正しい知識の普及および、尿失禁の予防・改善にむけた保健行動の定着を促す支援プログラムを開発することを目的としているため、はじめに、文献等を用いてヘルスリテラシーや保健情報探索に関する概念化を図った。しかし、これらをキーワードにした研究はまだ少なく、概念を整理するのに時間がかかったこと、また、尿失禁予防に関するヘルスリテラシーを概念化するためのグループインタビューを行う計画としていたが、研究の条件に合う対象者への依頼が計画通りに捗っておらず、計画にやや遅れが生じている現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
尿失禁予防に関するヘルスリテラシーを概念化するためのグループインタビューの対象者を、同一自治体に在住する女性で、かつ年齢別グループに分けて実施することを前提に進めていたが、全ての年齢別グループへの協力依頼が難しい状況にあるため、地域特性が似ている他自治体まで広げて対象者の協力を仰ぐ。このグループインタビューは、平成25年中に実施することを目標とする。合わせて、グループインタビューに協力していただいた自治体において、引き続き、地域在住女性における尿失禁予防に関するヘルスリテラシーと保健行動との関連について考察および、効果的な知識の普及方法の方策について検討するための自記式質問紙票調査協力依頼をし、実施することで研究の推進を図るようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
グループインタビューの逐語録作成および質問紙調査データ入力作業補助のための補助員謝礼、質問紙調査におけるQOL尺度使用料、質問紙調査用紙印刷、調査のための研究代表者交通費、消耗品等が研究を遂行するための主な費目として使用する予定である。
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