2013 Fiscal Year Research-status Report
地域在住女性に対する尿失禁予防・改善にむけた包括的プログラムの構築に関する研究
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24593461
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中田 晴美 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (90385469)
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Keywords | 介護予防 / 尿失禁 / 地域看護 / 女性 |
Research Abstract |
平成24年度には、日本の人口の総人口に占める高齢者の割合は25.0%で過去最高となり、4人に1人が高齢者となった。とりわけ、要介護状態や認知症の人の割合が高いとされている75歳以上の後期高齢者の増加が見込まれ、特に団塊の世代が全て65歳以上となる平成37年を見据え、これまで以上に介護予防の推進が望まれる。この介護予防のターゲットとなる老年症候群の一つである尿失禁は、高齢者の身体的、精神的、社会的な側面に多大な影響を与え、ゆくゆくは寝たきりにつながることも指摘されており、尿失禁を発症するリスクが高い女性が生涯を通じて、健康的でいきいきとした生活を長く送れるようにするために女性の尿失禁予防・改善にむけた支援が喫緊の課題である。よって本研究では、地域在住女性への尿失禁に関する正しい知識の普及および、尿失禁の予防・改善にむけた保健行動の定着を促す支援プログラムを開発することを目的としている。平成25年度は、地域在住女性においてライフサイクルと尿失禁予防との関連を明らかにするため文献等から検討した。ライフサイクル別に尿失禁発症率を比較すると、妊娠・出産期3割、更年期4割~5割、高齢期3割~6割と年齢が高くなるにつれ有病率が高くなる傾向にあった。このうち、妊娠・出産期の女性は産婦人科医や助産師、高齢期の女性は、かかりつけ医に相談するきっかけがあることが分かった。一方、更年期にある女性は、いわゆる更年期症状での受診率が約5割であり定期的な受診機会がないことから、尿失禁を発症している女性の約6割が、社会生活や日常生活上の制限を感じているにも関わらず、問題を放置しているという現状が明らかとなった。 この結果を踏まえ、地域在住女性の尿失禁や予防に対する認識や、ライフサイクル別にみる問題対処行動の相違について把握し、尿失禁予防・改善にむけた効果的な介入方法について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、地域在住女性への尿失禁に関する正しい知識の普及および、尿失禁の予防・改善にむけた保健行動の定着を促す支援プログラムを開発することを目的としているため、文献等を用いてライフサイクル別の尿失禁に関する現状分析と対処行動について検討した。しかし、地域在住女性の尿失禁や対処行動に関連した研究はまだ少なく、あわせて、尿失禁予防に関するヘルスリテラシーを概念化するためのグループインタビューを行う計画としていたが、研究の条件に合う対象者への依頼が計画通りに捗っていないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
尿失禁予防に関するヘルスリテラシーを概念化するためのグループインタビューの対象者を、同一自治体に在住する女性で、かつ年齢別グループに分けて実施することを前提に進めていたが、特に妊娠・分娩期にある女性への協力依頼が難しい状況にあるため、地域特性が似ている他自治体および、産婦人科や泌尿器科を受診している対象者まで広げ研究への協力依頼を行う。なお、このグループインタビューは、平成26年中に実施することを目標とする。合わせて、グループインタビューに協力していただいた施設において、引き続き、地域在住女性における尿失禁予防に関するヘルスリテラシーと保健行動との関連について考察および、効果的な知識の普及方法の方策について検討するための自記式質問紙票調査協力依頼をし、実施することで研究の推進を図るようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
グループインタビューの対象者への協力依頼が難しい状況にあり、研究計画の進捗が遅れているため、次年度は、研究の推進方策に則り研究協力者を得られるよう尽力し、研究の推進を図ることとする。 グループインタビューの逐語録作成および質問紙調査データ入力作業補助のための補助員謝礼、質問紙調査におけるQOL尺度使用料、質問紙調査用紙印刷、調査のための研究代表者交通費、消耗品等が研究を遂行するための主な費目として使用する予定である。
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