2014 Fiscal Year Research-status Report
地域在住女性に対する尿失禁予防・改善にむけた包括的プログラムの構築に関する研究
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24593461
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中田 晴美 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (90385469)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 介護予防 / 尿失禁 / 地域看護 / 女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国は他に例をみないスピードで高齢化が進んでおり、特に2025年問題としてとりあげられている団塊の世代が全て65歳以上となる社会に向けて、高齢者のみならず若い世代からの健康づくり、介護予防の推進が課題としてあげられている。この介護予防対策の1つとして捉えられている尿失禁は、ひとたび起こすと身体的、精神的、社会的な側面に多大な影響を与え、ゆくゆくは寝たきりにつながることも指摘されている。また、近年では生活スタイルや体格の変化により、尿失禁を経験したことがある若い世代の女性の割合が増加していることも指摘されている。そのため、本研究では、地域在住女性への尿失禁に関する正しい知識の普及および、尿失禁の予防・改善にむけた保健行動の定着を促す支援プログラムを開発することを目的としている。平成26年度は、尿失禁の発症の有無とヘルスリテラシーとの関連について、文献等から検討した。先行研究によると都市部に在住する65歳以上高齢者362人のうち、尿失禁を経験した者は約40%と高値であり、相互作用的・批判的リテラシー尺度の平均点が低いことが示されていた。また、これまでのヘルスリテラシーに関する研究では、ヘルスリテラシーの能力が低くなる要因として、本人の学歴、職歴の有無、年齢、心身機能の健康状態等があげられることがわかった。これらのことから、本研究の対象となる女性は、高齢女性になるほど尿失禁の有病率が高くなり、かつ、ヘルスリテラシーが低くなるリスク要因が増加すること、および、尿失禁の発症とヘルスリテラシーとの関連が推測された。 この結果を踏まえ、地域在住女性のライフサイクル別にみる尿失禁有病率の実態把握およびヘルスリテラシーとの関連を明らかにし、尿失禁予防・改善にむけた効果的な介入方法について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、地域在住女性への尿失禁に関する正しい知識の普及および、尿失禁の予防・改善にむけた保健行動の定着を促す支援プログラムを開発することを目的としている。そのため、地域在住高齢女性における尿失禁の実態把握とヘルスリテラシーとの関連について検討した。しかし、対象者への尿失禁とヘルスリテラシーとの関連を概念化するための質的研究が計画より遅れている現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
尿失禁予防に関するヘルスリテラシーを概念化するためのグループインタビューの対象者を、都市部に在住する女性を前提に進めていたが、特に若い世代にある女性への協力依頼が難しい状況にあるため、エリアを広げ研究への協力依頼を行う。なお、このグループインタビューは、平成27年度前半に実施することを目標とする。合わせて、グループインタビューに協力していただいた施設において、引き続き、地域在住女性における尿失禁予防に関するヘルスリテラシーと保健行動との関連について考察および、効果的な知識の普及方法の方策について検討するための自記式質問紙票調査協力依頼をし、実施することで研究の推進を図るようにする。
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Causes of Carryover |
本研究への協力を得られる対象者の協力依頼が捗っておらず、対象者数の確保ができていないため。特に若い世代の女性の対象者の協力を得るのが難しい状況にある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
グループインタビューの逐語録作成および質問紙調査データ入力作業補助のための補助員謝礼、質問紙調査におけるQOL尺度使用料、質問紙調査用紙印刷、調査のための研究代表者交通費、消耗品等が研究を遂行するための主な費目として使用する予定である。
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