2014 Fiscal Year Annual Research Report
レジリエントなコミュニティ形成をめざして:在日ブラジル人の震災体験を踏まえた支援
Project/Area Number |
24593473
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野崎 章子 千葉大学, 看護学研究科, 講師 (90361419)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 公一郎 自治医科大学, 看護学部, 教授 (00291625)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 在日外国人 / 震災 / 災害 / 防災 / レジリエント / コミュニティ / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、在日ブラジル人の東日本大震災以降の生活の状況や困難および心身の健康状態を明らかにし、さらに、その結果を踏まえ、レジリエントなコミュニティ形成のための当事者を主体とした支援プログラムを実施・評価し、支援方法についての基礎資料とすることを目的とする。 平成26年度は、平成24・25年度に収集した、2011年東日本大震災において震度6弱を記録した地域に在住する在日ブラジル人の、大震災以降の生活状況、困難と対処、ニーズ、そして外傷後ストレス症状を含む心身の健康状況を明らかにし、それらをふまえたプログラムの開発・評価を行うことを計画した。 平成25年度より、上記の被災状況、それに続く心身の健康状態、現在の防災対策等についてデータ収集を実施しており、その結果、被災後の心的外傷後ストレス症状ならびにインタビュー時の精神的健康状態について、男女差や震災発生時の健康状態等との関連が見込まれるデータが集積しつつあったため、これによりさらに調査対象者数を増やし、データの増強を行った。これらの分析結果については、第21回多文化間精神医学会学術総会ならびに16th Pacific Rim College of Psychiatrists Scientific Meetingにおいて発表した。 被災直後ならびにその後のメンタルヘルスには、家屋や生活物品等物理的な損害だけでなく、失業の有無、発生直後の家族との再会までの時間、子どもの病気の有無そして女性であれば妊娠の有無や、子どもの年齢などとの関連が推測された。被災後の生活では、地域の避難所に行けず、ブラジル人のみで集まり過ごす、情報交換を行うといった対応がほとんどである一方、日本人住民との交流や共同の防災対策へのニーズがあった。 これらのことを含めたテストプログラムを策定し、評価を行うところである。
|
Research Products
(5 results)