2014 Fiscal Year Annual Research Report
終末期がん患者の「希望を支援する目標志向型看護実践」の構造化と検証
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24593478
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
片山 陽子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (30403778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 弘子 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (10265770)
越田 美穂子 香川大学, 医学部, 准教授 (30346639)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ACP / 終末期がん患者 / 訪問看護師 / 目標志向型実践 / 希望 / 意思表明 |
Outline of Annual Research Achievements |
Advance Care Planning(以下、ACP)を核とした「終末期がん患者の希望を支援する看護実践」の構造を明確化し希望を志向した目標志向型看護実践の実践枠組みを検証するため1.平成25年に続き、ACPの文献検討及びACPの海外先進国でフィールド調査を実施、患者の希望を明確化し支援する実践枠組みを明らかにする。2.平成25年度から継続し国内での訪問看護師へのインタビュー調査の分析を基に、我が国における在宅終末期患者の希望を支援する看護実践の枠組みを検証することを目的に取り組んだ。目的1.は、ニュージーランドとシンガポールで実践枠組みや教育プログラムの調査を行った。ACPの教育担当者から教育支援や住民への普及方法と内容の情報を得、ACPの実施評価について基礎資料を得た。目的2.は国内訪問看護師を対象としたインタビュー調査を実施した。インタビュー対象はエキスパートの実践をモデル化するため、対象は訪問看護師でかつ緩和ケアと訪問看護の認定看護師8名とし19事例の在宅終末期がん患者への実践データを得た。調査の結果、患者の希望の表明を支援し、尊厳を守るための看護実践として「患者本人が指令塔である本人の希望を共有したチームを作る」「予測的に関わる」「本人の人生のプロセスを理解する」「過去の重要な情報をつなぐ」などの10コアカテゴリーが実践の構成要素であると明確になった。また患者の希望の実現には『タイムリーな意思表明の支援』が重要でそれは『患者の病状変化を的確にとらえ予測的に関わること』が基盤となる。ターミナル期と看取り期の判断指標については、ターミナル期は「労作時の回復の遅れ」「食事摂取量の減少と固形物の摂取困難」等、看取り期は「状態変化のスピードの速さとケア効果の低下」「緊急コールの増加」等の日常の観察による訪問看護師独自の判断指標を有することが明らかとなった。
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