2015 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール依存症者の家族への教育プログラムの評価研究
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24593480
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
越智 百枝 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (40270053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
中平 洋子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師 (70270056)
坂元 勇太 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, その他 (30761241)
大森 美津子 香川大学, 医学部, 教授 (70251072)
西村 美穂 香川大学, 医学部, 助教 (20511546)
疋田 琴乃 香川大学, 医学部, 助教 (80505800) [Withdrawn]
政岡 敦子 香川大学, 医学部, その他 (50618957) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アルコール依存症 / 家族 / 教育支援プログラム / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はアルコール依存症者の家族への教育支援プログラムを開発しその評価を行うことである。国内外のアルコール依存症者の家族の支援プログラムの先行知見と2008~2010年度基盤研究(C)の助成による研究成果に基づき、家族支援プログラム試案を作成した。その試案を、精神看護学領域の看護研究者及び看護実践者6名による3回の専門家会議で検討を繰り返し洗練した。 プログラムは基盤理論として家族システム論を、家族の行動変容のための方法論として解決志向アプローチを用いることとした。プログラムの目標は、(1)家族が心に留めてきた気持ちや思いを十分に吐き出すことができる(2)孤独感から解放される(3)家族の望む解決像を描くことができる(4)家族自身が内在する自身の力に気づく(5)自分の思考の枠組みの中から対処法を選択する(6)選択した対処法を実行できる(7)家庭で実行した対処法を振り返りより効果的な方法を検討できるとした。プログラムの運営は1コース3回で、1回の所要時間は90~120分である。スタッフはファシリテーター1名、進行補助者1名、ピアサポーター1名である。 平成27年度は、アルコール依存症者の家族を対象に、マニュアルに沿って2コース実施した。対象は1コース目6名、2コース目4名で計10名であった。プログラム参加時の家族の発言内容や表情、構築した解決像、家で実行しようと決定した行動目標、次回参加時の行動目標の達成状況や達成しようとする意欲などとその変化をデータとして抽出し、質的に分析した結果、プログラムの目標の(1)、(2)、(3)、(5)、(6)は、全員が目標を達成した。目標(4)は6名(60%)、目標(7)は7名(70%)が達成した。その他にプログラムの効果として家族の認知、感情、態度の変化が見られた。家族の変化に伴い、アルコール依存症当事者やその他の家族にも変化が見られた。
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