2014 Fiscal Year Research-status Report
高齢終末期がん患者と家族の在宅療養移行介入モデルの実用化に関する研究
Project/Area Number |
24593482
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
東 清巳 熊本大学, 生命科学研究部保健学系, 教授 (90295113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
永井 眞由美 安田女子大学, 看護学部, 教授 (10274060)
植田 喜久子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (40253067)
寺町 芳子 大分大学, 医学部, 教授 (70315323)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢終末期がん患者 / 在宅療養移行介入モデル / 家族介護者 / がん診療連携拠点病院 / 在宅移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢終末期がん患者と家族の在宅療養移行介入モデル(以下、「在宅移行介入モデル」)の実用化を目指し、H21~23年度に開発した「在宅移行介入モデル」を用いた支援を、A県下の2か所のがん診療連携拠点病院に依頼し、移行支援を実施した。支援に際しては、研究者が作成したガイドラインおよびチェックリストに沿って進めていったが、詳細はモデルを用いた支援の主旨から大きく外れない限り、現場の使い勝手を優先した。また、介入後に2医療機関10名の看護師に対して、「在宅移行介入モデル」を用いた支援の評価を得るためフォーカス・グループインタビューを行い、介入前インタビューとの比較を行った。 「在宅移行介入モデル」を用いた支援は、平成26年2月~12月、2医療機関で83事例に行われ、そのうち20事例が在宅移行し、在宅移行できなかった63事例には、事前インタビューで明らかになったように、医師との合意形成の不備や家族の介護力不足があった。また特徴的だったことは、医療機関の看護師がスムーズな在宅移行に向けた条件をすべてクリアしない限り在宅移行できないと判断し、タイミングを逃していることがあった。この問題は事後のインタビュー結果からも窺われ、在宅移行促進の課題と考えられた。 「在宅移行介入モデル」は、表現の修正等はあったものの、支援のためのガイドラインやチェックリストの使用により特に問題なく活用できたとの評価が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象医療機関をA県内の2施設とし、平成26年2月~8月までデータ収集を行った。1施設は順調に進み55事例に対して支援が行われたが、1施設は支援対象事例について研究者らの意図と齟齬がみられ、医療機関の希望で平成26年12月まで4か月間データ収集期間を延長し収集を継続した。しかし、当初の予定を大幅に下回り28事例への介入に止まった。データ収集期間を延ばしたことにより、結果の分析・考察が予定どおりに進まず、平成27年度まで1年間、研究を延長することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度末までに2介入医療機関での介入結果および看護師へのグループインタビューによる「在宅移行介入モデル」の評価が得られた。今後は、その結果に基づき「在宅移行介入モデル」を用いた支援の実用化の完遂をめざす。 当初の計画では一定地域における「在宅移行介入モデル」の実用化を目指していたが、1年間の研究延長が可能になったため、介入を研究者らが所属する研究機関のある3県に広げ、医療機関の看護師を対象に「在宅移行介入モデル」ならびに支援のためのガイドライン、チェックリストを用いた研修会を開催し、高齢終末期がん患者と家族の在宅療養移行モデルへの理解と実用化を目指す。
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Causes of Carryover |
「高齢終末期がん患者と家族の在宅療養移行介入モデル」の実用化について、A県下におけるデータ収集終了時期が当初計画より大幅に遅れたたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画全体の遅れを取り戻すとともに、介入地域をA県1地域から研究者らが所属する研究機関のある3地域への拡大を目指す。 研究責任者および共同研究者が在住する地域において、「高齢終末期がん患者と家族の在宅療養移行介入モデル」に関する研修会を開催するための費用、ならびに成果発表のための旅費、学術雑誌への投稿料、研究所作成に係る費用として使用する。
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