2013 Fiscal Year Research-status Report
過疎地域の在宅ケア体制づくりを促進する看護職の機能に関する研究
Project/Area Number |
24593494
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
森 仁実 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (40326111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 直美 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授 (40290035)
北山 三津子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (70161502)
原田 めぐみ 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教 (80448696)
種村 真衣 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教 (80625260)
田中 昭子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80274314)
高橋 智子 (高橋 智子) 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教 (50720174)
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Keywords | 在宅ケア体制づくり / 過疎地域 / 看護職の機能 |
Research Abstract |
今年度は2つの取り組みを行った。一つは、昨年度の調査でデータ収集した先駆的活動事例を分析し、在宅ケア体制構築を促す看護職の機能・役割の抽出に向けて作業を行った。もう一つは、一過疎地域の国保診療所看護職と共に在宅ケア体制構築に向けたモデル的な活動を行い、この活動を通してデータ収集を行った。 先駆的活動事例の調査では、2つの活動事例を対象として分析作業を進めている。まだ分析途上ではあるが、看護職は過疎地域の高齢や病気を抱える住民が安心して暮らせる地域づくりをめざして活動しており、看護職の立場で率先して問題解決に取り組み、当事者の自立を重視しながら共に歩み、多様な関係者と連携・協働しながら活動を積み重ねていることを確認した。今後は、各活動事例の分析に加え、両事例を統合することにより、在宅ケア体制構築を促す看護職の機能・役割を抽出する予定である。 一過疎地域におけるモデル的活動づくりの調査では、国保診療所利用者のうち、在宅療養継続に問題を抱えている2事例を選択して、支援関係者と研究者が集まって事例検討会を行いながら在宅療養を支える援助を展開している。事例検討会では、保健・医療・福祉・介護サービスはもちろん地域住民との連携・協力も含め幅広く支援の方向性を検討し、課題解決に向けた具体策を話し合って支援を行っている。2事例の支援過程は、支援の方向性と具体的な支援内容、支援結果に整理して記述し、データ化している。今後は、2事例の支援実績を支援関係者と共に振り返り、実施した援助の評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度に先駆的活動事例のデータ収集を行ったが、その時期が予定より遅れたことで、分析作業に着手する時期が遅くなった。2つの活動事例のうち1事例には、活動事例に関する文献や報告等が複数あるため、面接記録に留まらず、前述した資料もデータ化したいと考えて取り組んだ。そのため、分析方法の検討に時間を要した。 一過疎地域におけるモデル的活動づくりの調査は、国保診療所看護職が支援している利用者を対象にして事例検討会を行っている。事例検討会を行いながら利用者に支援した過程を記述することは計画通りに進んでいるが、研究対象とな事例が2事例に留まった。そのため、新たな研究協力者を確保するため、別の過疎地域看護職にも働きかけを行ったが、新たな過疎地域において研究協力者を得ることはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
一過疎地域におけるモデル的活動づくりの調査は、現在データを収集している2事例の支援実績から、在宅ケア体制構築につながる看護職の機能、並びに機能を発揮する上での課題を整理していく。 2事例への支援過程を振り返り、支援の成果と課題を整理するが、事例数が限られているため支援実績の評価を充実させたい。その方策として、援助関係者の立場からだけでなく、利用者からも支援の評価を得ることを計画し、当該調査の実施については、すでに岐阜県立看護大学研究倫理審査部会の承認を得ている。今後は、利用者評価の内容も踏まえて、支援の成果と課題を整理する予定である。また、2事例はいずれも国保診療所看護職が長期に渡ってかかわっている利用者なので、必要な場合は、事例検討会開始前の支援状況についても把握して、過疎地域看護職に求められる機能について検討したいと考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一過疎地域の国保診療所看護職と共に事例検討会を行ってデータ収集しているが、当該過疎地域にあるa総合病院がテレビ会議システムを保有しており、無料で地域の看護職が使用できるよう会場を貸していることがわかった。このテレビ会議システムは、実習施設との連携強化を図るため本学が設置したものであり、本学とa総合病院は、テレビ会議システムで繋がっている。このテレビ会議システムを活用して事例検討会を行うことができたので、思ったほど旅費を使わないで済んだ。 事例検討会および事例検討の対象となった利用者への調査、学会(宇都宮)報告、報告書を作成するために使用する。また、研究分担者1人が、ウインドウズXPのノートパソコンを保有しているが、サポートが終了したため今のPCは使用できなくなった。そのため、新たなノートパソコンを1台購入する。
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