2014 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者と家族介護者の「理解と関係を促進する介入プログラム」の開発
Project/Area Number |
24593508
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
高見 美保 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (50613204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 信江 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (50453155) [Withdrawn]
加藤 泰子 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (70510866)
武林 智子 兵庫県立大学, 看護学部, 助手 (30632484) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 家族介護者 / 看護介入プログラム / 相互理解 / 相互関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、認知症高齢者と家族介護者の両者の地域での生活を支援する、実用性の高い看護介入プログラムを開発することを目的に実施した。 1.認知症高齢者と家族介護者の「理解と関係を促進する介入プログラム」簡易版(以後、介入プログラム改訂版)の作成 文献検討と医療機関の外来におけるフィールド調査(認知症高齢者10名、その家族介護者10名;計20名を対象とした、聞き取り調査)により、介入プログラム改訂版の内容を検討した。その結果、プログラムに含まれる内容として【認知症発症のメカニズムと症状】、【困った症状への対応】、【社会資源の使い方】、【相手の世界観】、【自分らしく話せる場所】、【自分が褒められる場所】、【何か一緒に取り組める機会】が検出された。それらを内容に含め、1回/2週間、計4回で取り組む、介入プログラム簡易版を作成した。 2.介入プログラム簡易版の評価 次に、この介入プログラム簡易版を3つの医療機関で実施し、評価した。認知症高齢者12人とその家族介護者12人;計24名を対象とし、実施前後で東大式観察スケール(認知症高齢者)、J-ZBIと介護肯定感尺度を測定し、その変化の優位性をt検定にて検証することで評価した。その結果、J-ZBIの有意差は検出できず(p>0.005)、介護肯定感の変化は有意傾向に留まった(p<0.5)が、東大式観察スケールでは、認知症高齢者のコミュニケーションや注意力の得点が向上し、家族と共に称えあう様子や「相手のことがよく分かり楽しい」という評価を得た。今回の取り組みでは、介護知識が増え、漠然とした不安が具体になった」ことで介護負担感の軽減は得られなかった。しかし、介護肯定感や認知症高齢者のコミュニケーション力の向上が見られ、参加者の評価も高かったことから、フォローアップ体制を組み、認知症ステージに対応したグループ編成を行うことで、今後の発展性が期待できる。
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