2016 Fiscal Year Annual Research Report
Process from admission to discharge among elderly individuals with dementia at acute care hospitals
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24593532
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
北 素子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80349779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 令子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00305343)
遠山 寛子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10433989)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 退院支援 / 認知症 / 高齢者 / ケーススタディーリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる平成28年度は、急性期病院において認知症高齢者を受け取った経験のある看護師合計28名を対象としたインタビューから得られたデータを分析し、以下のような結果を導いた。急性期病院において認知症高齢者が入院から退院に向かうプロセスは、予定入院であったか、予定外の緊急入院であったかで異なった。予定入院では外来での入院治療選択の意思決定が上手くなされていなければ、入院後に安全に治療を受けることは困難であり、本人も、家族も、そしてケアする看護者側も困難に遭遇すること、場合によっては治療という目的を達成されないままに退院になってしまうことが明らかになった。一方、緊急入院は独居や老夫婦の二人暮らしに多く、別居子は入院によって親の認知症を知ることとなり、その事実の受け入れに困難を生じることが退院先や退院のタイミングに影響することが明らかになった。また、いずれにしても入院後、認知症高齢者には、身体の不快症状、環境の変化に加えて、入院の契機となった疾患や外傷を治療する上で必要な様々な制限が課せられるが、多くの場合これらの制限を自律的に守ることは難しく、制限が守られないことで回復が遅れ治療が長期化する状況が確認された。この治療の長期化は、認知症高齢者の体力消耗、日常生活行動力の低下を招き、そのことが自宅への退院を難しくさせ、退院先の決定に多くの時間が費やされることにつながることも浮き彫りとなった。病院ではできる限り短期間で治療とそれに伴う制限を完了させることを目指し、家族の付添による見守り、薬剤による鎮静、身体拘束のいずれか、あるいはいくつかにより対処されるが、それにはその対処が本人や家族にとって最善の方法であるという確信が持てないことによる看護師のジレンマが伴った。以上のような結果から、さらなる研究課題を導いた。さらに本年度は本研究の成果の一部である文献レビューを英文雑誌に投稿した。
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Research Products
(1 results)