2014 Fiscal Year Annual Research Report
子どもとの継続的世代間交流はアルツハイマー病者の生活の質を維持改善するか
Project/Area Number |
24593534
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
六角 僚子 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (10382813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 小百合 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (20238182)
関 由香里 東京工科大学, 医療保健学部, 助手 (20613285)
本間 昭 社会福祉法人浴風会認知症介護研究・研修東京センター, 医科学研究所, センター長 (40081707)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 老年看護学 / アルツハイマー病 / 世代間交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、継続的世代間交流がアルツハイマー病者のQOLを維持改善することを明らかにすることである。本研究は平成24年8月~平成26年8月の期間、子どもと継続的にかかわりをもつ世代間交流の介入研究であり、対象群はA市の通所介護施設2か所に通う、臨床的にアルツハイマー病と診断された者10名ずつとした。介入群の交流プログラムは子どもとアルツハイマー病者と畑づくり、昔の遊びなどの相互で楽しめるアクティビティケアを実施した。月曜日から土曜日までの午前中10時~11時までの1時間とした。分析はインタビューや観察実施したことは記録とし、介入群と対照群の比較は二元配置分散分析を用いた。有意水準は5%未満とした。 結果、平成26年の介入2年後ではアルツハイマー病と診断された介入群は6名、対照群は5名であった。QOL-AD尺度において、QOL-AD(本人)がグループ間で有意差がみられた。さらに気分状態評価:PARSのPleasure(楽しみ)、Interest(関心)、の2項目においてグループ間で有意差が認められた。一方QOL-AD(家族)の結果からは、家庭における状況への影響は示されなかった。 本研究において、QOL-AD(本人)とPCG-ARS測定では有意差が認められた。つまり子どもたちとの継続的な交流は、中等度から重度のアルツハイマー病者のQOLを向上させることが示唆された。デイサービスへ通っている間だけではなく、生活全般の質の向上がなされたとも換言できる。またPGC-ARS評価からは、デイサービスを利用している日中、その瞬間、その時に楽しんでいたり、関心を示していたりと感情が刺激されたことも明らかとなった。今回の研究はまず各群のメンバーが少数であること、このことはより分析を難しくしたと考えられる。今後は認知症進行予防も含め、初期段階にアプローチしていきたいと考える。
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Research Products
(6 results)