2015 Fiscal Year Annual Research Report
介護老人保健施設入居者の終末期のQOLとリスク管理に関する看護ケアモデルの開発
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24593538
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
清水 みどり 自治医科大学, 看護学部, 講師 (50294806)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 介護施設 / 後期高齢者 / QOL / リスク管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,介護施設に入所する後期高齢者の終末期の経口摂取支援におけるQOLの維持と,誤嚥性肺炎・窒息のリスク管理に関する看護ケアについて,聴取調査と参加観察を実施した.対象は5施設に勤務する看護職・介護福祉士,計16名. 分析の結果,6つの看護ケアが抽出された.看護職は入所者の全身状態を見ながら経口摂取の可能性を極力保持していた.食形態の工夫,低栄養による咀嚼嚥下関連筋群の廃用の予防,複数の看護職で介助技術等の影響を除いた嚥下評価の確認と,個別要因を考慮した経口摂取中止の判断が行われていた。また看護職は予想される病態の変化に対して予防的ケアを実施していた.脱水予防,水分摂取量増量に伴う心不全や浮腫の発症と悪化のモニタリングと回避,誤嚥の高リスク者の抽出と食事介助,その日の介護職の人手や力量不足を補うなど,嚥下状態を直接評価し窒息や誤嚥の回避に努めていた。また看護職は摂食嚥下機能の向上に努め食事を味わえるように,介護職と共に口腔リハビリ等に取り組み,食材がわかる食事が摂取できるよう促していた。 さらに看護職は,役割遂行上生じる不安や負担感を軽減し,経口摂取支援に関する力量開発を促していた.具体的には重度の嚥下障害者の介助や,異常に素早く対応することで介護職の不安を軽減していた。介護職が経口摂取に関するスキルを学び安全で確実な食事介助,経口摂取中止の見極めができるよう働きかけ,自身のスキル向上に努め,実践を通して経口摂取支援が継続していけるよう促していた。最期に経口摂取支援の過程で手を尽くし入所者の最善を念頭に家族・介護職と合意を形成していた.これは医学的根拠とこれまで手を尽くしてきた結果食べられなくなった経過を事実をもとに説明し,関係者が経口摂取の中止を納得できるよう働きかけていた.
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Research Products
(2 results)