2012 Fiscal Year Research-status Report
入院高齢者の夜間の排泄と睡眠状態の解析による転倒リスク軽減へのストラテジー
Project/Area Number |
24593539
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
泉 キヨ子 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (20115207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 紀子 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (40624664)
高田 大輔 帝京科学大学, 医療科学部, 助教 (90634155)
平松 知子 金沢大学, 保健学系, 准教授 (70228815)
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 転倒 / 排尿 / 睡眠 / 夜間 |
Research Abstract |
本研究は入院高齢者の夜間の転倒を減少する方略を探るために,夜間の頻尿の実態と原因探索および排泄行動と睡眠状態について個別性,多様性を出しながら客観的に測定・分析し,相互に関連したデータを集積し,転倒と関連づけることを目的にした3年間にわたるものである。 本年度は初年度であり,1.夜間頻尿と睡眠障害の転倒に関するエビデンスの分析,2.夜間の頻尿と睡眠障害が影響した転倒に関する実態調査,3. 高齢患者の夜間の排尿動作のパターン抽出を計画した。 その結果,1.については国内外の夜間頻尿や睡眠障害と転倒に関する文献を収集し,整理した。しかし,夜間排尿,睡眠障害,転倒の3つに関連したエビデンスの高いものは少なかった。転倒に関連した睡眠薬に対する有効性のある論文を整理した。 2.については本学の倫理審査を経て,石川県の2つの病院でのインシデントレポートを中心に後ろ向きの実態調査に着手し,現在データ収集中である。また東京の1病院で研究協力を得て,これからデータ収集を進める予定である。その際,特に睡眠薬と転倒を詳細に調べることにした。 3.については,関連する文献を探したが,どのようにするかについては検討中である。 以上から,まず後ろ向き調査ではあるが,複数の病院で夜間の転倒と睡眠薬の種類や排泄の状況を検討することが重要と考え,着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
転倒の実態調査開始について,計画案を推考してから本学の倫理委員会の承認に1ヶ月以上を要し,協力病院での説明や協力許可にも約2-4か月を要した。とくに東京の病院は研究代表者とのコミュニケーションも少ないので,調整に時間を要している。 また,本学での職務との調整にも困難な時期があったことも忌めない。
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Strategy for Future Research Activity |
1.高齢患者の夜間頻尿の原因および眠りSCANを用いた睡眠状態の測定・調査のその後の転倒の前向き調査 入院高齢者の1回排尿量,1日尿量,夜間尿量(睡眠中の尿量),残尿量(ブラッダー スキャンにて測定)を中心に排尿日誌を3日間測定,排尿障害のタイプ(高齢者排尿管 理マニュアル、2003)、頻尿の種類を把握(昼間頻尿,24時間頻尿,夜間頻尿の区 別),残尿測定などから夜間頻尿の実態とこれらを基に専門家(老年泌尿器医,コン チネンスケアの専門家など)も入れてその原因を探る。 さらに,上記の患者の睡眠状態を眠りSCAN(パナマウントベッド)を用いて客観的 に把握する。睡眠と覚醒リズム,入眠時間,睡眠時間,覚醒回数などを眠りSCANで測 定する。眠りSCANは精度で睡眠と覚醒の判別ができるほか,ベッドにいる(在床)と 離床の判断も可能な器械であり,夜間の排尿状況を客観的に推定することができる。 これらの項目について測定後の患者の転倒の実態について前向き調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
眠りSCAN(パナマウントベッド)の購入,データ収集や分析のために石川県に使用するノートパソコンを一台購入,テータ収集分析に関する雇用,研究打ち合わせや専門家との旅費などを考えている。
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