2014 Fiscal Year Research-status Report
入院高齢者の夜間の排泄と睡眠状態の解析による転倒リスク軽減へのストラテジー
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24593539
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
泉 キヨ子 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (20115207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 紀子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (40624664) [Withdrawn]
高田 大輔 帝京科学大学, 医療科学部, 助教 (90634155)
平松 知子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (70228815)
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 転倒 / 夜間頻尿 / 睡眠 / 入院 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、主として、急性期病院において高齢患者の夜間の転倒リスク軽減を検討するため、夜間頻尿のため転倒リスクのある高齢患者の夜間の排泄と睡眠を調査した。方法: 対象者は夜間頻尿のため、転倒リスクのある高齢患者10名(男女各5名、平均年齢81.6±9.6歳)である。排尿状況は看護師が排尿日誌を用いて用いて1回排尿量、1日尿量、夜間尿量、残尿量を約2時間毎に3日間記載した。残尿量はゆりりん USH-052(ユリケア)を用いて測定した。1回排尿量は、排尿後または定期的なおむつ交換後に排尿量や回収したおむつの重さを計測した。2)睡眠状況眠と覚醒リズム、入眠や睡眠時間、覚醒回数などを眠りSCAN NN-1100(パラマウントベッド)を用いて1週間測定した。結果:排尿量については、 排尿回数は日中5.4±1.5回、夜間3.0±0.8回であり、1回尿量は182.6±54.1ml、残尿量は67.9±63.6mlと個人差が大であった。睡眠状況では、 睡眠時間は5.7±1.5(2.5-7.5)時間、 覚醒時間は3.3±1.5(1.5-6.5)時間であり、覚醒回数は7.7±1.8(5-10.8)回と断眠であった。これらについて事例ごとでも分析した。 考察:夜間頻尿のある高齢患者には断眠を多くみとめた。しかし、排尿回数より覚醒回数が多く、尿意以外にも覚醒していると考える、また事例分析から離床後再び入眠できたA氏の一方、B氏はおむつ交換に関わらず断眠をみとめた(夜間の転倒リスクとして考慮必要)。 これらを通して、看護師は高齢患者の尿意や排泄動作に伴う夜間の転倒リスクを個別の排泄・睡眠状況を考慮する必要性が示唆された。また、高齢患者の夜間頻尿と睡眠状況は相互に関連しており、転倒につながる危険性が示唆された。今後より事例検討を重ねていく必要性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
夜間頻尿高齢者の排泄と睡眠のデータ収集に時間を要している。これは病院の研究協力と看護師の力に負うところが大きい。夜間の排尿測定など技術を持った看護師に負うところが大であり、当初はいくつかの病院を予定したが、現在小松市民病院の看護師よるところが大きい。看護部全体で協力してもらっているが、該当患者が少なかったり、看護業務との関係が関与している。
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Strategy for Future Research Activity |
1年間の延長が許可されたので、病院の許可も得たので、患者数を増やして測定したいと考えている。
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Causes of Carryover |
入院高齢者で転倒しやすい夜間頻尿のある患者で睡眠状況の測定ができた事例数が10例であったので、期間を延長を申請した。出来る限り、事例数を増やしたいと考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
対象高齢者に①排尿状況について、看護師が排尿日誌を用いて1回排尿量、1日尿量、夜間尿量、残尿量を約2時間ごとに3日間記載する。測定はゆりりんUSH-052を用いる。②睡眠状況は、酢民と覚醒リズミ、入眠や睡眠時間、覚醒回数などを眠りSCAN NN-1100(パナマウントベッド)を用いて1週間測定する。③転倒リスクは転倒アセスメントツールから危険度を把握する。④患者の基本属性を把握する。 分析は記述統計を用いて、これらの関係について分析する。さらに事例ごとについても分析して、研究者間や専門家と検討する。
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