2014 Fiscal Year Annual Research Report
成育初期ストレスによる精神的発達障害のメカニズム-ムスカリン受容体の新しい機能
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24600006
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
村松 郁延 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10111965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西宗 敦史 福井大学, 医学部, 助教 (40311310)
宇和田 淳介 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70580314)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ムスカリン受容体 / 大脳皮質 / アセチルコリン / ストレス / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
ムスカリン受容体は、記憶や学習など高次脳機能に関与しているが、そのメカニズムは未だ十分に解明されていない。我々は、代表的“膜受容体”であるムスカリン受容体のうち、M1サブタイプが大脳皮質や海馬では神経細胞内にも発現し、記憶や学習に関与していることを明らかにした。 そこで、なぜ、ムスカリン受容体が細胞膜だけでなく細胞内にも発現するのか調べた。ムスカリン受容体のM1-M5サブタイプのN末にcmycを付加し神経芽細胞に発現させたところ、M1サブタイプのみが特異的に細胞内にも発現することが明らかになった。そしてその細胞内局在には、M1サブタイプのC末アミノ酸配列が関係し、他のサブタイプもC末をM1サブタイプのC末と置き換えると細胞内にも発現できることを明らかにした。すなわち、大脳皮質や海馬におけるM1サブタイプの特異的細胞内局在には、M1サブタイプのC末アミノ酸配列が必須であることが示唆された。 M1サブタイプの細胞内発現は、ラットでは生後1週目でみとめられ、約1年半にわたって細胞膜の発現と並行して観察された。しかしその後は、細胞内M1サブタイプのみが特異的に減少・消失し、ムスカリン受容体は細胞膜のみに局在した。生後5週令で拘束ストレスをラットに付加すると、細胞内M1サブタイプは減少することも明らかにした。 以上の結果より、大脳皮質や海馬におけるムスカリン受容体の神経細胞内発現はM1サブタイプに特異的であり、発達やストレスにより著しく影響されることを明らかにした。
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[Journal Article] Activation of focal adhesion kinase via M1 muscarinic acetylcholine receptor is required in restitution of intestinal barrier function after epithelial injury2014
Author(s)
Khan RIM, Yazawa T, Anisuzzaman ASM, Semba S, Ma Y, Uwada J, Hayashi H, Suzuki Y, Ikeuchi H, Uchino Y, Maemoto T, Muramatsu I, Taniguchi T.
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Journal Title
Biochimica et Biophysica Acta - Molecular Basis of Disease
Volume: 1842/4
Pages: 635-645
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant