2013 Fiscal Year Research-status Report
体育授業において児童は自身の動作をどの程度認識できているか?
Project/Area Number |
24600012
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上田 毅 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90254648)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 良昌 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (00397978)
上田 真寿美 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30332810)
黒川 隆志 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40170104)
|
Keywords | 動作認識 / 投動作 |
Research Abstract |
昨年度,小学生の児童を対象に,投球動作の動作分析と動作の認識について検討した。その結果,児童は自らの動作について,複数のポイント並行して正確に認識することはできなかった。しかしポイントを一つに絞れば,そのポイントのみは認識することができた。 この結果を踏まえて,学校体育を想定した場合,学校体育では,1人の指導者に対して40人前後の生徒がいる。この場合,生徒が自分自身で過大に気づき,改善を試みることが必要である。そのための手段として自身の映像を見ることや手本を見ることで自己の認識を高め,動作を改善することは有効だと考えられる。しかし実際の映像を見せることや,手本を見せることが動作の認識を高めているかどうかは明らかでない。そこで,本年度は,投動作について,実際に行われている動作と,自己の認識のそれではどれほどの差異があるかを検討し,さらに学習者に動作のポイントを言葉で伝える指導を行う群,自身の映像を見せることにより指導を行う群とに分けて,動作の習得において有効な手段を明らかにすることを目的に研究を進めた。 本研究では,投動作について,非利き手を用いて実施した。非利き手という経験も少なく困難な課題について,対象者は手首,肘など末端の動作は認識したが,身体全体の動作は認識できていなかった。また自らの映像を見ることによって認識が改善すると動作も改善することが明らかになった。ただし体のひねりに付いては,映像を見なくても認識が改善する者がいたため,他の動作に比べると改善しやすい動作であった。このことから,投動作のような一連の動作を改善する際,改善させるポイントにより有効な指導法があるように考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,走・跳・投動作の基本動作を学ぶ児童を対象に,彼らの課題となる動作をどのように実施し,認識しているかをバイオメカニクス的見地から検討することが目的であった。昨年度の結果を踏まえ,当初は実施する予定ではなかった非利き手による投動作の学習に関する検討を実施することになった。これは動作の認識が改善すれば動作自体も改善すると考えると,有効な指導は如何にすれば良いかという観点から,言葉による指導と,映像による指導を比較検討することによって実施した。当初予定ではなかったが,学習を念頭にいれた研究がより重要であり,それができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後,跳躍動作について,投動作と同様の検討を行っていきたい。つまり,跳躍動作について,児童はどのように動作を認識し,実際の動作はどうなっているのかを検討する。さらに,跳躍動作の学習には,どのような指導が有効であるかについても検討していきたい。
|