2014 Fiscal Year Annual Research Report
こどもの健康に対する放射線被ばくの蓄積性についての検討
Project/Area Number |
24600029
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
島田 義也 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 副センター長 (10201550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 まゆみ 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 主任研究員 (70218204)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 健康影響 / 小児 / 放射線診療 / 反復被ばく / 知識の普及 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、社会的関心が高くなってきている「こどもの被ばく影響」について、①マウスを使って「反復(分割)被ばく」の影響を調べ、②病院における放射線診療(特に線量の高いCT)の実態調査と③コミュニケーションに必要なパンフレットを作成することである。 ①反復被ばく実験:B6C3F1マウスを生後1週目(乳児期)もしくは7週目(青年期)から、0.125Gy、0.25Gy、0.5Gy、1.0Gyを毎日4日間連続で反復照射した(各群50匹)。3月現在、各々の線量を被ばくした群の生存率は、1週齢群で14%、16%、28%、86%で、7週齢群で7%、12%、36%、44%であり、1週齢群が放射園感受性であった。Tリンパ腫の発生は、1Gyで比べると1週齢群は26%、7週齢群は8%と1週齢群のリスクが高かった。過去の結果と比べると、1週齢被ばくの場合、寿命短縮は、毎日被ばく(1Gyx4回、合計4Gy)が最も短く、次いで1回被ばく(4Gyx1回)、1週おきの被ばく(1Gyx4回、合計4Gy)の順となった。即ち、合計4Gyの被ばくであっても、1回照射と分割照射、分割照射の間隔によって影響が異なる。胸腺リンパ腫の発生も同様の傾向であった。一方、7週齢被ばくは、寿命短縮においては照射方法に関係しなかった。反復被ばくの影響の様式は年齢に依存することを初めて明らかにした。 ②病院における放射線診療(特に線量の高いCT)の実態調査の結果を論文として報告した。 ③パンフレットに対する意見募集は、郵送にしたためか、福島原発事故から時間が経っていたためか、返事はあまりなかった。
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