2014 Fiscal Year Annual Research Report
ベーシック・インカム政策導入が先住民族コミュニティに及ぼす影響
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24602005
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
岡野内 正 法政大学, 社会学部, 教授 (60185460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 怜央 法政大学, 社会学部, 講師 (10626039)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 多国籍 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は、本研究の締めくくりとして、これまでの現地調査(当初の計画にあったナミビアおよびアラスカ調査、そして情勢の急変に照らして、ブラジルにかえてのインド調査、そしてアラスカとの対比のためのイランおよびモンゴル調査)や国際学会(2012年ドイツ)や日本の諸学会などでの議論をもとに、学会報告や論文発表によってさらに研究成果を国際的、国内的に還元するとともに、こちらの今後の研究の深化の方向性について軌道修正を行っていくことができた。2014年6月にカナダで行われたベーシック・インカム研究国際学会(BIEN Congress, Montreal)では、アラスカの先住民族コミュニティの問題とベーシック・インカムのモデルとして議論されている現行の現金移転政策との関連、そして日本でのベーシック・インカム論争について二本の報告を行った。アラスカの先住民問題とベーシック・インカムの関連については、同年7月に『アジア・アフリカ研究』(査読付き学術雑誌)に日本語論文を掲載した。 また、これら諸外国の知見をふまえて、日本の過疎地農村でもベーシック・インカムあるいは無条件現金移転政策の導入についての調査を開始し、その中間報告として査読付き英文ペーパーを作成して、2014年9月にラオスで開催された国際学会(アジア農村社会学会;ARSA Conference)で報告した。 今後は、普遍的無条件現金移転政策の影響評価に関してアラスカ、イラン、モンゴルで収集した資料と知見を整理しつつ、ナミビアやインドでのコミュニティ・レベルのベーシック・インカム導入実験の成果を踏まえ、現金移転政策導入からベーシック・インカム導入に至る可能性を含む政治状況について、日本の過疎地問題などをも視野に入れつつ、理論的、実証的な研究を進めることになる。
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