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2013 Fiscal Year Research-status Report

民具の形に見る力学性の解明とデザインへの展開

Research Project

Project/Area Number 24603003
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

久保 光徳  千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60214996)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 寺内 文雄  千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30261887)
田内 隆利  千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70236173)
Keywords民具形態 / 最適構造 / 応力分布
Research Abstract

人が自然発生的に生み出してきた形の一つであると言える民具形態に注目し,その形に潜在すると思われる力学的合理性を解明することを研究目的として,新潟県中魚沼郡の津南町歴史民俗資料館に所蔵されている踏鋤の一種である国指定民俗資料「エングワ」の形状に見られる力学的特徴の抽出を試みた。生活の中に置いて自然発生的に生み出されてきたと思われる形態の特徴の一つと言える力学的な合理性の有無についての検討をこのエングワ形状に対して実施した。三次元デジタイザによる形状測定,CADによる断面形状の検討,有限要素法に従った構造解析,梁理論に従ったエングワ形状と曲げモーメント分布,および曲がりにくさの指標となる断面二次モーメントとの対比を通して,この形状が実使用時に発生すると思われる力学的および幾何学的境界条件に対して適切な形状を有しており,この形態が力学的合理性を有しているものの一つであることを確認した。また,同県新潟県山古志村の大型の牛用荷付鞍(ウシノタグラ)に対して,形態学視点および構造力学的手法に従った形態特性分析を実施した。形態学的視点のアプローチにおいては,その形態を構成する材料および構造,機構から読み取れる印象を拠り所にその形態の意味をDEMATEL法を用いて構造化した。その結果,このウシノタグラ形態の基盤にあるものはウシに負担を軽減する柔構造であることを示唆することができた。同時に,3Dデジタイザによって測定されたその形態の三次元形状の構造解析を実施し,その形態が応力集中を緩和する最適構造形態の一つであることを確認した。エングワ,ウシノタグラのように自然発生的に形づくられてきた道具の形に強烈な合理性の存在を示唆することができたものと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでに背負子,エングワ,ウシノタグラの三形態の他に天秤棒,角館の山車,もじり(トチノミつぶし機)などの伝統的民具等形態に対する調査,形状測定・生成と構造解析を通して,それらの形態がもつ根源的な合理性を示唆して来ており,本研究の目的に対応しているものと考えている。ここでの「根源的合理性」とは,形態を構成する材料の固有特性の有効活用と構造体に発生する応力の効果的な分散と,それに伴った構造形態の軽量化,高効率化(十分な強度,剛性と軽量化)を示す。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究において以下の根源的な合理性が確認されている。
①形態を構成する材料が最も効果的な配置,成形がなされている。
②十分な強度および剛性が実現される形態が経験的に求められ,様式化している。
③最適な形態を可能にする材料を,その原材料の時点で見極める観察眼を制作者および使用者は有している。
今後の研究として,最適設計形態であるとの結論に導く①,②の議論に留まらず,③の知見をより信頼性と再現可能性をもって主張するために,実験的な議論および制作を通して,研究対象としている伝統的な形態の意味と価値を明確に示す予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究補佐員への3月分謝金分を残すために残額調整を行った。
次年度の謝金予算として使用させていただきたいと考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 山古志村民俗資料館荷付鞍(ウシノタグラ)の形から読み取れるもの2013

    • Author(s)
      久保光徳 北村有希子 田内隆利 寺内文雄
    • Organizer
      日本デザイン学会
    • Place of Presentation
      筑波大学
    • Year and Date
      20130621-20130623

URL: 

Published: 2015-05-28  

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