2014 Fiscal Year Annual Research Report
江戸小袖にみられる立木文様とインド、インドネシア更紗の相関性についての研究
Project/Area Number |
24603031
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
さくま はな 神戸芸術工科大学, 先端芸術学部, 助教 (00589202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 康平 神戸芸術工科大学, アジアンデザイン研究所, 名誉教授 (00226432)
馬場 雅恵 神戸芸術工科大学, デザイン学部, 教授 (00249202)
黄 國賓 神戸芸術工科大学, デザイン学部, 准教授 (50441382)
曽和 英子 神戸芸術工科大学, アジアンデザイン研究所, 客員研究員 (80537134)
齊木 崇人 神戸芸術工科大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (90195967)
松本 美保子 神戸芸術工科大学, アジアンデザイン研究所, 名誉教授 (90219519)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 小袖 / 更紗 / 立木文様 / 江戸時代 / インド / 染織 / 図像 / アジアンデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度には、主に、江戸小袖、インド生命樹更紗の立木文様の意匠の分析を行った。インド生命樹更紗は更紗の技法で描かれるに対し、江戸小袖の立木文様は友禅、刺繍、絞り染めなど多様な技法で表現されているが、両者には、大輪の花を咲かせた意匠が表現されている、生命に対する畏敬の念、そして、立木文様の中に多様な異国の造形様式への強い関心があらわれているという共通項がある。両者の時代背景をふまえながら、染織技術、樹相・樹種、色彩などについて考察し、立木文様のデザイン構成原理の解明を試みた。
また、本研究成果を実際のデザイン教育の現場に還元することを目的に、ワークショップの提案・実施、その様子をまとめた冊子「デザイン・ワークショップ アジアにおける樹木の表現様式に基づく造形学習」の作成を行った。
本ワークショップは、ごく身近な存在である樹木が諸地域においてどのように様式化されてきたのかをものづくりを通して学び、自然物や身の回りの事象から自分なりの表現を生み出す力を育てることを目的としたもので、再現性にも考慮した。内容としては、江戸小袖とインド生命樹更紗における立木文様の基本的な類型や構図などを学んだ上で、切り絵ワークショップ、および、シルクスクリーンでの造形作業を通じて共同制作を行うというものである。成果としては、第一に、本ワークショップを介してものづくりの現場とアジアの植物文様研究とを繋ぐ具体的な方法を提案することができた、第二に、対象者を小学校高学年以上や中学生以上に拡大したワークショップの提案、が挙げられる。また、冊子を日本語・英語併記にしたことで、今後、海外でのワークショップの取り組みにも繋がればと考える。3月には、佐久間・曽和の2名がインドネシア、ジョクジャカルタ芸術大学を訪問し、バティック専門家を含む美術領域の教員を対象に本ワークショップを含む本研究の成果発表を行った。
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