2013 Fiscal Year Research-status Report
発展途上地域における持続可能な観光と地域コミュニティのバランスモデルの構築
Project/Area Number |
24611019
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Research Institution | Kyoei University |
Principal Investigator |
高橋 進 共栄大学, 教育学部, 教授 (50360087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 美惠 共栄大学, 国際経営学部, 客員教授 (30258925)
山田 耕生 帝京大学, 経済学部, 講師 (70350296)
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Keywords | 持続可能な観光 / 生物多様性 / 伝統文化 / 生物資源 / インドネシア / マングローブ |
Research Abstract |
平成25年度においては、ランプン州内の観光・文化、マングローブ林などの自然状況およびエコ・ツーリズム実施状況などについての基礎的な資料収集とともに、住民等へのインタビュー調査、アンケート調査を行い、平成25年8月と平成26年2~3月には現地概況調査を実施した。 観光の実態調査では、バンダルランプン市内のエコ・ツーリズムエリア(蝶園)、地元産品の土産物店の実態を調査したほか、バンダルランプン市内の伝統的建築の民家の現況を調査した。伝統的家屋の残るワナ村では、住民ヒアリング調査とアンケート調査を実施した。さらに、ランプン市内の観光施設における利用者アンケート調査、カリアンダリゾートでのインタビュー調査を実施した。また、観光の文化資源として、バンダルランプン市内の土産物店・テキスタイル店の実態調査とジャカルタ中央統計局での農業統計、工業統計などの資料取得を行った。 自然環境とエコ・ツーリズムに関しては、スマトラ島南部東海岸のランプン州および隣接地域を中心とするマングローブ林の分布状況に関するデータ収集と現地状況調査を引き続き実施した。さらに、マングローブ林の利用実態と利用価値の認識や保全意識について、沿岸住民と市内都市住民へのアンケート調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
持続可能な観光の一環である自然環境を中心としたエコ・ツーリズムと農村社会・伝統文化を中心としたルーラル・ツーリズムについて、その実態を把握するための文献調査および現地における資料収集とヒアリング調査に加え、平成25年度にはアンケート調査を実施した。 これにより、当初の予定どおり、観光客の動向、観光文化資源の現状、エコ・ツーリズムの実態などの基礎的な情報が収集・集積された。また、新たに実施したアンケート調査によりランプン市民やワナ村住民、マングローブ林沿岸住民の観光や資源保全への意識が明らかになった。この結果、当該研究の目的である地域住民の生活と観光との両立に関し、今後のランプン州での観光における伝統的な建造物や工芸文化、さらにはエコ・ツーリズムとマングローブ林保全に対する動向・意識などの今後の解析材料が揃うなど、おおむね計画通り実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度においては、引き続き、伝統的家屋群が集積するワナ村とマングローブ林が広がるマルガサリ村(ともに東ランプン県)をおもな調査サイトとして、伝統的な文化的資源やマングローブ林などの自然環境を保存し、観光に利用することについての意識などについて把握する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度未使用額の流用によるアンケート調査、ヒアリング調査の実施経費が予定よりやや少額で実施できたために、次年度使用額が生じた。 平成26年度においては、1回の現地調査により、昨年度実施したアンケート調査の補足調査を実施する。また、当該研究費助成事業の最終年度として、日本での研究打ち合わせ会等により研究成果の取りまとめを行う。
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