2012 Fiscal Year Research-status Report
歴史的市街地の観光魅力度の向上に資する街路空間の運用指針に関する実証的研究
Project/Area Number |
24611030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 雅 広島工業大学, 工学部, 准教授 (70273464)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 観光学 / 歴史的市街地 / 交通行動 / 消費行動 |
Research Abstract |
観光周遊行動の実態調査の成果として平成24年度は,宮島を調査対象地とした観光周遊行動に関する成果をまとめた. 宮島に来島した観光客を対象に,島内の訪問施設,施設での滞在時間と支出額,個人属性についてアンケート調査を実施し,一部の調査対象者にはGPSロガーを携帯してもらい周遊軌跡についても把握した. 来訪客の属性としては,初めての訪問という遠方の来訪客が多い一方で,約4割が繰り返し来訪している地元客(広島県内)であった.滞在時間の平均は3時間29分,1人当たり平均支出額は3,525円となっており,比較的滞在時間が短く,土産物の購買が中心の滞在特性であることが分かった.また,GPSロガーデータに基づく平均移動距離は3708mであったが,多くのサンプルは2000~3000mの距離を2~3時間で周遊するパターンとなっており,滞在時間と消費を高めるための施策が必要である課題が浮かび上がった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観光周遊行動の実態調査:1年目となる平成24年度においては,前述の研究成果をまとめたほか,高野山を調査対象地とした観光周遊行動の実態調査を実施し,データ収集を行った.また,宮島においても追加の実態調査を実施し,さらにサンプル数を増やすデータ収集を行い,当初予定のデータ収集を達成した. 街路空間の運用に関する事例調査:スイスを調査対象地とした現地調査を実施し,自動車を排除した街路空間の運用を行っている観光地の実態を把握した.初年度に予定していた調査を遂行することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
観光周遊行動の実態調査:今後の調査としては、街路空間における歩行者の流動量、移動速度および空間密度に関する実態の把握が必要となる.宮島および高野山をはじめとする研究対象地において現地調査を実施する予定である. 街路空間の運用に関する事例調査:自動車を排除した街路空間の運用を行っている国内外の観光地の実態に関する現地調査を引き続き行い、事例の蓄積を行う必要がある. 街路空間の運用方針に関する提言:平成27年度に向けて街路空間の運用を変更する計画のある高野山において,その実施に向けた知見の提供が可能となるよう,調査結果をまとめていく必要がある.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費:事例調査に必要な資料等の購入、実態調査に必要な調査器具(タブレットPC、ビデオカメラ等)およびその消耗品等の購入に使用する予定である。 旅費:事例調査のための国内旅費および国外旅費、実態調査のための旅費、研究成果発表のための旅費に使用する予定である。 人件費・謝金:実態調査に際して必要となる調査員の謝金、データ整理のための作業に対する謝金に使用する予定である。 その他:実態調査の際に使用するタブレットPCの通信回線使用料、研究成果発表のための投稿料のために使用する予定である。
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