2013 Fiscal Year Research-status Report
がん細胞‐腫瘍関連マクロファージ間相互作用におけるセリンの重要性と制御法の開発
Project/Area Number |
24614007
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小川 拓哉 国際医療福祉大学, 薬学部, 講師 (30457147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 教弘 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (30294284)
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Keywords | L-セリン / 腫瘍 / マクロファージ |
Research Abstract |
腫瘍関連マクロファージは、固形がん組織におけるがんの増悪に深く関与する。我々はこれまでに、骨髄マクロファージ細胞は増殖や破骨細胞への分化の際、細胞外の非必須アミノ酸L-セリン(Ser)が不可欠であることを見出している。本申請ではがんの増悪におけるがん細胞と腫瘍関連マクロファージとの細胞間コミュニケーションに対するSerの寄与について調べるとともに、その制御法について検討することを目指している。本年度は以下について検討を行った。 1.マウスC57BL/6由来腫瘍細胞を入手し、各細胞におけるセリン合成系酵素の発現状況について調べた。その結果、肺がん由来細胞株の3LL等においてセリン合成系酵素の高い発現が認められた。そこでセリン合成系酵素に対するノックダウンベクターを作製し、3LL細胞に導入して増殖への影響等を調べた。 2.マウスに腫瘍細胞を皮下移植し、腫瘍関連マクロファージを調製する条件検討を行った。当初の計画に替えて磁性粒子を用いた免疫磁気分離により、細胞の分離を行った。 3.前年度同定したセリンアナログを用い、腫瘍細胞と腫瘍関連マクロファージの細胞間コミュニケーションを遮断できるか検討するため、in vitroでの評価系の構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の遅れを取り戻すべく、研究分担者の追加、当初予定になかった備品購入、代替法の模索・立ち上げ等、研究計画の見直しを行った。モデルとなる腫瘍細胞の選定やin vitroおよびin vovo実験系の構築に関して一定の方向性・進捗は見えたものの、まだ初年度の遅れを挽回するまでには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍細胞のセリン放出に関与するトランスポーターの同定と発現抑制を行う。また、マウスに移植し、腫瘍関連マクロファージや腫瘍の増悪に関する影響について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度中にモデルとなる腫瘍細胞の構築を終え、得られた成果を基にin vivoでの解析を行うとともに25年度中に学会等で発表する予定であったが、フローサイトメーター等の解析が行えず、研究計画の見直しが必要となった。そのため、抗体等の試薬・物品の購入計画にも遅れ・変更が生じたため。 前年度未実施であった解析および外部発表を本年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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[Journal Article] Cyclodextrin Complexed [60]Fullerene Derivatives with High Levels of Photodynamic Activity by Long Wavelength Excitation2013
Author(s)
Ikeda A, Iizuka T, Maekubo N, Aono R, Kikuchi JI, Akiyama M, Konishi T, Ogawa T, Ishida-Kitagawa N, Tatebe H, Shiozaki K
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Journal Title
ACS Med. Chem. Lett.
Volume: 4
Pages: 752-756
DOI
Peer Reviewed