2014 Fiscal Year Research-status Report
がん細胞‐腫瘍関連マクロファージ間相互作用におけるセリンの重要性と制御法の開発
Project/Area Number |
24614007
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小川 拓哉 国際医療福祉大学, 薬学部, 講師 (30457147)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 教弘 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (30294284)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | L-セリン / 腫瘍 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍関連マクロファージは、固形がん組織におけるがんの増悪に深く関与する。我々はこれまでに、骨髄マクロファージ細胞は増殖や破骨細胞分化の際、細胞外からの非必須アミノ酸L-セリンの供給が不可欠であることを見出している。本申請ではがんの増悪におけるがん細胞と腫瘍関連マクロファージの細胞間コミュニケーションに対するSerの寄与について調べるとともに、その制御法について検討することを目指している。本年度は以下について検討を行った。 1.マウスC57BL/6由来の腫瘍細胞である3LLにPHGDHを過剰発現またはノックダウンし、HPLCにより細胞内外のアミノ酸レベルを調べ、セリン産生量の変化を確認した。 2.PHGDHノックダウン細胞をマウスに皮下移植し、in vivoでの腫瘍の成長速度や腫瘍関連マクロファージの遊走等について検討を行ったが、調べた限りではPHGDHのノックダウンによる明確な影響は見られなかった。また、3LL細胞と同様に別のマウス腫瘍細胞であるB16細胞についても同様に移植を行ったところ、B16細胞では3LL細胞に比べて腫瘍組織に遊走した腫瘍関連マクロファージが少なかった。 3.腫瘍細胞からのセリンの分泌を抑制するため、いくつかの中性アミノ酸トランスポーターに対するmiRNA発現ベクターを設計・構築した。構築したベクターをレトロウイルスにより3LL細胞に導入してノックダウン効率を調べた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
夏季にP2実験室の細胞培養装置が故障し、しばらくの間P2実験が行えなかったために計画に遅れが生じた。このため、補助事業期間の延長を申請した。
|
Strategy for Future Research Activity |
中性アミノ酸トランスポーター抑制細胞の移植実験とその解析を行う。
|
Causes of Carryover |
これまでの進捗状況に合せて予算執行計画を変更したことに加え、夏季に細胞培養装置が故障したことで2ヶ月以上P2実験が行えなかったことに伴うものである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度未実施であった解析および外部発表を半年度行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
|