2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24615007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
中野 法彦 藍野大学, 再生医療研究所, 准教授 (40322721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 千束 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (70010080)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経再生 |
Research Abstract |
骨髄間質細胞が脊髄損傷の神経再生にはたらく有効因子を同定するために、まず始めに骨髄間質細胞培養上清の収集を行った。Sprague-Dawley (SD) ラットの大腿骨および脛骨の骨髄から骨髄液を採取し播種・培養して骨髄間質細胞を得た。ラットの週齢や継代回数、培地などについて条件検討を行った。 次に、神経突起伸長アッセイ法の改良を行った。アッセイがうまくいくかの最大のポイントは海馬を剖出する方法であった。検討を重ねて海馬へのアプローチの仕方や剖出する境界を確立して、効率よく細胞活性の高い神経細胞を再現性よく得ることができるようになった。 このアッセイ法を指標にして、ラット骨髄間質細胞培養上清から、液体クロマトグラフィーを組み合わせて、神経再生の有効因子の精製を行った。ヘパリンアフィニティーカラム、イオン交換カラム、ゲルろ過カラム、逆相クロマトグラフィーなどのカラムを組み合わせて分離精製を行った。一連のカラムワークにより得られた精製標品は、直接またはトリプシン処理した後MALDI‐TOF MSまたはLC‐MSなどを用いて同定を行った。これまでにいくつかの既知の神経再生因子を同定してきたが、これら以外にもいくつかの有効因子の候補があるので、引き続き精製を行っている。 骨髄間質細胞をはじめとする体性幹細胞は神経や他の臓器の再生に重要な役割を果たすことが明らかになってきているが、その分子的なメカニズムはまだ明らかになっていない。本研究により、骨髄間質細胞の分泌因子を分離精製し神経再生に関わる因子が徐々に明らかになってきていることは、注目に値することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経突起伸長アッセイ法の改良は、海馬の剖出方法や培養条件を検討し改良することにより再現性よく高感度のアッセイ法が確立できた。 神経再生の有効因子の同定は、液体クロマトグラフィーの組合せによる精製により行うため、当初より多大な時間と労力を要することが予想されていた。その中で神経突起伸長アッセイ法を指標にして分離・精製をおおむね順調に進めることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の大部分を有効因子の精製および同定の作業が占めることになる。したがって、平成24年度に引き続き、神経再生因子の精製・同定に注力する。 得られた因子に関しては、リコンビナントタンパク質を用いて、神経細胞への効果を神経突起の伸長と細胞数の増減について測定し、受容体特性や情報伝達系を免疫沈降法にて明らかにする。 培養神経細胞に対して効果が見られた因子は、脊髄損傷モデル動物に投与実験を行う。有効因子を脊髄損傷ラットの静脈、髄液または損傷部位に注入して、BBBスコアによって行動評価を行い、免疫組織学的な解析によって神経細胞やグリア細胞の再生あるいは生存状況について調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費では、消耗品として、細胞培養用培地・試薬150千円、ウシ胎仔血清150千円、実験動物(ラット)200千円、プラスティック器具100千円、精製用カラム・樹脂500千円、試薬210千円を使用計画している。備品については購入予定はない。 また、旅費に230千円、謝金に30千円、その他、研究成果投稿費に100千円を使用することを計画している。
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Research Products
(4 results)