2014 Fiscal Year Annual Research Report
障害者ケアの包括的な保障のために―ケアワーカーのウェルビーイング支援システム開発
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24616001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武田 文 筑波大学, 体育系, 教授 (80216902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田宮 菜奈子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20236748)
茨木 尚子 明治学院大学, 社会学部, 教授 (50269354)
水上 勝義 筑波大学, 体育系, 教授 (20229686)
千綿 かおる 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60442191)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 身体障害者施設 / 知的障害者施設 / ケアワーカー / 抑うつ / 仕事満足感 / 職業性ストレス / ソーシャルサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでに身体障害者施設・知的障害者施設の調査から、ケアワーカーの抑うつ・仕事満足感に関連する心理社会的要因を明らかにした。最終年度は、1.抑うつ低減・仕事満足感増大の要因を施設種類ごとに総括し、2.要因改善の具体的支援策を組織レベル・個人レベルの両面から包括的に検討した結果、以下の知見を得た。 1.抑うつ低減・仕事満足感増大の要因:いずれの施設においても、抑うつ低減・仕事満足感増大に共通する主な要因は、役割曖昧感の低減、上司のサポートの増加、若年職員への配慮、役割葛藤感の低減であり、これらが障害者ケアワーカーのウェルビーイング支援の重点と考えられた。この他、(1)身体障害者施設では、男性職員への配慮、体位・姿勢保持業務、入居者の趣味・レクリエーション活動支援の業務、コミュニケーションに関するストレッサーの低減、同僚、家族・友人のサポートの増加、(2)知的障害者施設では、職員間の連絡、ケア関連会議、起居・就寝(声かけや誘導)の業務ストレッサーの低減があげられた。 2.上記の要因改善の具体的支援策:両施設とも、若年職員の個々の業務内容の明確化、キャリアパスが見通せる人事体制の構築、上司によるサポートの充実が不可欠である。その他、(1)身体障害者施設では、入居者の趣味・レクリエーション活動支援への外部ボランティア活用、重度障害者の介護技術に関する研修、職員間の交流活動(短時間のブリーフィングやQC活動等)が必要であり、これらの研修や交流活動への参加時間確保のために業務調整が必要となる。(2)知的障害者施設では、若年職員の夜勤や早朝対応に関するマンツーマン指導、人事体制の構築の上で報酬単価等の見直し促進が求められる。 本研究より障害者ケアワーカーの業務特性に応じたウェルビーイング支援策を包括的に明らかにできたことは、良質な障害者ケアサービスを保障する人材確保の上で重要な意義を持つ。
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Research Products
(5 results)