2015 Fiscal Year Annual Research Report
血液がん患者のQOL向上を目的とする、新規多職種協働ケアプログログラムの開発
Project/Area Number |
24616008
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
奥山 徹 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80349349)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 支持的ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
がん医療においては、がんの治癒や生存期間といったがんそのもののアウトカムのみならず、患者の生活の質(Quality of life: QOL)も重要なアウトカムである。本研究では、診断直後の血液がん患者のQOL向上を目的とした、支持的ケアを提供するための新規の多職種協働ケアプログラムを開発することを目的とした。 上記目的のために前向きコホート研究を実施し、血液がん患者のQOLを規定する要因を明らかにした。対象は新規に悪性リンパ腫、または多発性骨髄腫と診断された患者とした。適格条件を満たす患者を連続的にサンプリングし、インフォームド・コンセントを取得後、診断時、1ヶ月後、12ヶ月後の3時点で、QOL、身体症状、抑うつ、医学的情報、人口統計学的情報などを含むの評価を行った。QOLはEQ-5Dという自記式評価尺度を用いて評価し、その結果からTariffと呼ばれる換算表を用いて健康効用値を算出した。健康効用値に関連する因子を明らかにするために、健康効用値を従属変数として、その他の調査項目を独立変数として混合効果モデル分析を行った。さらに解析の結果推定されたβを基に効果量(部分R次乗)を算出した。 155名より有効回答を得た。平均年齢64歳(標準偏差14歳)、男性49%、診断は悪性リンパ腫170%、多発性骨髄腫30%であった。診断時点で、一日の半分以上を臥床して過ごす身体状態の患者が20%であった。混合効果モデルの結果、最も効果量が大きい変数はPS(0.23)であり、ついでPHQ-9(0.10)、MDASI(0.04)であった。 本研究結果から、血液がん患者のQOL維持においては、全般的活動状況が最も影響が大きいが、支持的ケアにおいて改善が可能と思われる抑うつや身体症状も影響を及ぼしていることが明らかになった。 現在これらのデータをもとに、多職種協働ケアプログラムを開発中である。
|
-
-
[Journal Article] Medical Decision-Making Incapacity among Newly Diagnosed Older Patients with Hematological Malignancy Receiving First Line Chemotherapy: A Cross-Sectional Study of Patients and Physicians.2015
Author(s)
Sugano, K., T. Okuyama, S. Iida, H. Komatsu, T. Ishida, S. Kusumoto, M. Uchida, T. Nakaguchi, Y. Kubota, Y. Ito, K. Takahashi, and T. Akechi
-
Journal Title
PLoS One
Volume: 10(8)
Pages: e0136163
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant