2013 Fiscal Year Research-status Report
人口減少進行の被災地における住宅復興と地域再生に関する研究 ー茨城県を対象にー
Project/Area Number |
24618002
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
乾 康代 茨城大学, 教育学部, 教授 (90334002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏子 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (00324559)
藤本 佳子 千里金蘭大学, その他部局等, 名誉教授 (30123540)
森田 芳朗 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (50396769)
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Keywords | 県内避難者 / 県外避難者 / 帰郷意思 / 全国自治体 / 避難者支援 / 分譲マンション / 震災後対応 |
Research Abstract |
平成24年度に実施した茨城県における県内避難者と県外避難者に対するアンケート調査を結果をまとめ,避難事由として住宅被災と放射能被曝からの避難,避難先は県内と県外を設定,これらの組み合わせによる避難者類型の特徴と支援課題を明らかにし,都市住宅学会に査読付き論文として発表した。 被災地の被災状況と生活再建状況を把握するため,これまで平成23年11月および平成24年2月の2回,県内激甚7被災地の居住者を対象に,住宅復興、避難状況を調査してきたが,平成26年1月,生活再建,地域復興の進行状況を評価するために,同地区でアンケート調査を実施し,その結果を現在論文にまとめつつある。 これまでの研究で,県外避難者については圧倒的多数が帰郷の見込みがたたず,長期避難や移住の選択が迫られていることが明らかになったことから,平成25年12月,全国基礎自治体の避難者支援状況を把握するアンケート調査を実施し,その結果は平成26年4月,行政,行政向けフォーラムで報告した。 分譲マンションについては2013年10~11月,県内の分譲マンション450件を特定し,居住と管理の現状についてアンケート調査を実施,100件の回答を得て分析するとともに13件のヒアリング調査を実施した。古いマンションにおける高齢化,賃貸化,空室化の進行,新しいマンションでの震災後の共用部分の修繕や,修繕積立金の実施(または予定)傾向があること等を把握した。平成26年の建築学会大会で報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度実施の調査結果を査読付き論文として都市住宅学会で発表した。25年度に計画していた,①住宅と居住地被害実態と地域の復興状況に関する調査,②茨城県の分譲マンションの被害と復興過程に関する調査はいずれも実施済みであり,26年9月の日本建築学会で発表する予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に調査した,被災地における経年的な居住者の生活再建分析,地域復興状況分析を論文にまとめつつあり,平成26年度発表を予定している。 分譲マンションは,平成25年度の調査で明らかになった管理組合が抱える課題を反映させて調査内容を精査し,より広範なマンションから回答を得ることを目ざしてアンケート調査を実施,さらにインタビュー調査を重ねる予定である。 研究最終年度の今年は,これらの調査研究をまとめつつ,被災市町村の復興計画と現状と照らし合わせて課題整理をする。 研究分担者の田中とは,避難の現状と課題を話し合うフォーラムの構想をたてている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に居住者の生活再建・地域復興状況を明らかにするアンケート調査を実施したが,時間的な制約から予定した,被災者へのインタビュー調査が未着手となった。そのため予算が余った。 生活再建・地域復興をテーマとし,被災者個別の詳細事情を把握するためのインタビュー調査を計画しており,その旅費として使用する予定である。
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