2014 Fiscal Year Research-status Report
宇宙環境(微小重力)が細菌間の遺伝子伝播に与える影響に関する研究
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24620006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
一條 知昭 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20513899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 進康 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (20252702)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 宇宙生命科学 / 細菌間遺伝子伝播 / 環境微生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌の進化や環境適応には、外来遺伝子の取り込みが大きく寄与している。宇宙環境において、細菌間の遺伝子伝播の頻度が上昇する場合、病原遺伝子や抗生物質耐性遺伝子が予測を超えて伝播する可能性が生じ、バイオハザードの要因となる。本研究では、微小重力シミュレーション装置を用いて、微小重力下における細菌の遺伝子伝播頻度や伝播の範囲、伝播に影響を及ぼす因子について、微生物生態学的手法を用いて考究する。 平成25年度までの検討により、自然形質転換能をもつ細菌を受容菌とした検討が重要であることを見いだしており、平成26年度は自然形質転換能を持つ細菌を受容菌とした遺伝子伝播実験を進めた。まずはじめに、広宿主域プラスミドであるpBBR122-gfpuvを新たに作製したうえで、受容菌を自然形質転換能をもつPseudomonas stuzteriとした形質転換実験系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本実験の遂行において重要である擬似微小重力実験装置に不具合が生じ、この調整に時間を要し擬似微小重力下での実験を行うことができなかった。この点以外は、順調に推移した。
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Strategy for Future Research Activity |
・自然形質転換能をもつ細菌を受容菌とした遺伝子伝播実験 擬似微小重力実験装置を用いて、自然形質転換能をもつ細菌を受容菌、pBBR-gfpuvをプラスミドとした遺伝子伝播実験を行い、通常重力下、擬似微小重力下それぞれでの遺伝子伝播頻度を測定し、考察する。また、必要に応じて細胞内遺伝子の可視化に向けた検討を行う。
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Causes of Carryover |
本研究の遂行において重要である擬似微小重力実験装置に不具合が生じ、この調整に時間を要したため、擬似微小重力下での実験を行うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
擬似微小重力装置を用いて、通常重力下において検討を進めている自然形質転換能をもつ細菌をホストとし、広宿主域プラスミドをベクターとした形質転換実験を実施し、微小重力の影響を評価する。また、得られた結果を学術集会にて発表するとともに、国際学術誌への投稿を行う。
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