2012 Fiscal Year Research-status Report
動体追跡技術を用いた新規行動リズム解析および時計遺伝子発現解析法の開発
Project/Area Number |
24621001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浜田 俊幸 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (20360208)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 体内時計 / 時計遺伝子発現 |
Research Abstract |
時計遺伝子は体全体に発現し、各組織ごとに固有の発現リズムをもつ。個体レベルで各組織の時計遺伝子発現リズムの乱れは、様々な疾患の危険因子と作用するため、体全体の時計遺伝子発現の役割を明かにすることは重要である。本研究では申請者が新規に作製した体全体の時計遺伝子発現を解析するシステムを用いて、時計遺伝子発現を指標として時計中枢SCNと脳各組織、体の各組織の活動リズムの関係およびその制御機構とさらに種々の行動、睡眠覚醒リズムとの関係を個体レベルで長期間測定し、明らかにすることを目的とし体内時計関連疾患の疾患解明および治療薬、睡眠覚醒障害治療薬の基盤を築くことを行うことを目的とする。 本年度は3次元動体追跡法を用いた行動およびマウス体表遺伝子発現に対する薬物刺激効果を行うため、マウス体表遺伝子発現およびテレメトリーを用いた脳波解析の同時測定ができる実験系の確立を行った。EM-CCDカメラを備えた飼育ボックス内にテレメトリー送信機からのシグナルを受信する受信ボードを設置し、脳波、筋電シグナルが十分取得できる条件を決定した。その後、EM-CCDカメラによるマウスからの発光画像取得とテレメトリーからの電波シグナルを同時に取得解析できるかの検討を行った。 結果、自由行動しているマウスの皮膚の時計遺伝子発現の長期間の測定とテレメトリーによる体温リズム測定、そして脳波測定が 同一動物で可能であることを確認した。 現在 測定個体数を増やし、データを蓄積中である。また同時に3次元動体追跡法による睡眠測定プログラムを作成予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3次元動体追跡法を用いた行動およびマウス体表遺伝子発現に対する薬物刺激効果を行うにあたり、独自に開発している3次元動体追跡プログラムにバグがみつかり修正に時間がかかった。またマウス体表遺伝子発現およびテレメトリーを用いた脳波解析の同時測定ができる実験系の確立にあたり、テレメトリーからの電波受信ノイズを減らし測定系を確立するのに時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元動体追跡法を用いた行動およびマウス体表遺伝子発現に対する薬物刺激効果を行うため、マウス体表遺伝子発現およびテレメトリーを用いた脳波解析の同時測定ができる実験系を確立したので、まずはコントロールとなるデータを蓄積していく。その後、機能解析を進めていく。解析には薬物による効果と オプトジェネシスを用いた遺伝的に神経活動を制御するシステムを追加し 進めていく基盤を作製していく。 同時に3次元動体追跡法による睡眠測定プログラムを完成させていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3次元動体追跡法を用いた行動およびマウス体表遺伝子発現に対する薬物刺激効果を行うにあたり、プログラムにバグがみつかり修正に時間がかかったことと、マウス体表遺伝子発現およびテレメトリーを用いた脳波解析の同時測定ができる実験系の確立にあたり、テレメトリーからの電波受信ノイズを減らし、測定系を確立するのに時間がかかったことで計画が遅れ、未使用額が生じた。次年度は、修正したプログラムと確立した実験系をを用いて、マウス1個体から全身の遺伝子発現のイメージングと脳波、筋電シグナルの取得の同時測定をデータの数を増やして行うのに、24 年度の未使用額を充てる予定である。脳波測定のテレメトリーの送信機を1個発注し、測定数を増やす。また脳波測定用の飼育ボックスを作製し、測定飼育状況をよりノイズの少ない測定環境を作製する。さらに測定プログラムの改良を実験の進行に合わせ行っていく予定である。
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