2013 Fiscal Year Research-status Report
動体追跡技術を用いた新規行動リズム解析および時計遺伝子発現解析法の開発
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24621001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浜田 俊幸 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (20360208)
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Keywords | 体内時計 / 時計遺伝子発現 / 睡眠 |
Research Abstract |
時計遺伝子は体全体に発現し、各組織ごとに固有の発現リズムをもつ。個体レベルで各組織の時計遺伝子発現リズムの乱れは、様々な疾患の危険因子と作用するため、体全体の時計遺伝子発現の役割を明かにすることは重要である。本研究では申請者が新規に作製した 体全体の時計遺伝子発現を解析するシステムを用いて、時計遺伝子発現を指標として時計中枢SCNと脳各組織、体の各組織の活動リズムの関係およびその制御機構とさらに種々の行動、睡眠覚醒リズムとの関係を個体レベルで長期間測定し、明らかにすることを目的とし体内時計関連疾患の疾患解明および治療薬、睡眠覚醒障害治療薬の基盤を築くことを行うことを目的とする。 本年度は昨年度完成させたEM-CCDカメラによる自由行動しているマウスの皮膚の時計遺伝子発現の長期間の測定とテレメトリーによる体温リズム測定、そして脳波システムを用いて ターゲット部位の遺伝子発現と睡眠ステージ、体温、行動パターンの相関関係を1個体レベルで検討し、嗅球、大脳皮質、皮膚の時計遺伝子発現と深部体温、睡眠ステージ、行動パターンの相関関係を示す図を完成させた。 さらに3次元動体追跡法により、ターゲット部位を長期間追跡することにより、マウスの睡眠パターンを移動中、睡眠中、飲水行動中、摂食行動中であることを自動解析する測定プログラムのプロトタイプを完成させた。電気活動を測定する脳波測定機器による睡眠行動解析の結果と比較してほぼ同程度の検出で、この測定プログラムは睡眠行動を測定でき、さらに飲水行動、摂食行動も解析できる利点を持つ。 今後 睡眠および体内時計機構に異常を示すマウスを用いて、嗅球、大脳皮質、皮膚の時計遺伝子発現と深部体温、睡眠ステージ、行動パターンがどのように変化しているのか、そして独自に開発した睡眠解析プログラムを用いて詳細な行動解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3次元動体追跡法を用いた行動およびマウス体表遺伝子発現に対する薬物刺激効果を行うにあたり、独自に開発している3次元動体追跡プログラムにバグがみつかり修正に時間がかかった。現在 大幅なプログラム修正を行い、長期間の遺伝子発現追跡定量とテレメトリーを用いた脳波解析を同時に行えるようになり、睡眠行動解析を進めいる段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
睡眠および体内時計機構に異常を示すマウスを用いて、嗅球、大脳皮質、皮膚の時計遺伝子発現と深部体温、睡眠ステージ、行動パターンがどのように変化しているのか、そして独自に開発した睡眠解析プログラムを用いて詳細な行動解析を行う予定である。 光ファイバーを用いた生体深部の遺伝子発現解析の系を完成させ、動体追跡のシステムとの同時測定を行う。 また3次元動体追跡法による睡眠測定プログラムの精度を高めることを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3次元動体追跡法を用いた行動およびマウス体表遺伝子発現に対する薬物刺激効果を行うにあたり、大幅にプログラムにバグがみつかり修正に時間がかかったことと、マウス体表遺伝子発現およびテレメトリーを用いた脳波解析の同時測定ができる実験系の確立にあたり、計画が遅れ、未使用額が生じた。 次年度は、昨年度完成させた動体追跡プログラムを用いて動体追跡遺伝子発現と睡眠解析の同時測定を行う研究に助成金を使用する。 また新規作成した睡眠解析プログラムの完成のために助成金を使用する。
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