2012 Fiscal Year Research-status Report
歩車・車車間通信におけるデータ重要性に応じた効率的位置情報通知アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
24650027
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
石原 進 静岡大学, 創造科学技術大学院, 准教授 (10313925)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 車々間通信 / VANET / ITS / 位置情報 / 送信電力制御 / 送信頻度制御 / 交通事故防止 |
Research Abstract |
車同士の衝突防止および歩車間の事故防止のために,車車間・歩車間の距離,相対的位置関係,密度に応じて各車両・歩行者が発する位置通知無線信号(ビーコン)の送信頻度,送信出力を動的に制御し,無線資源の効率的利用と安全性の確保を両立するアルゴリズムの開発を目的として,以下の取り組みを行った. 車車,歩車間の距離・位置関係,速度において各事故類型にたいしてビーコンに求められる通知範囲,通知頻度を検討し,必要とされるビーコン到達基準を再整理した.また,ビーコン送信出力制御に取り組む独カールスルーエ大,米ゼネラルモータース,米ノートルダム大等の成果を整理し,一部の手法についてシミュレーションモデルを実装した. ビーコン送信電力をビーコン送信のたびに弱~強に段階的に変更するパターンを周期的に繰り返す方式を設計した.本手法では,周辺車両密度や通信混雑状況を把握する方法を持たず,各車両は常に同じ挙動を繰り返す.車車間通信・詳細電波伝搬モデルを含むシミュレータ(Space-Time Engineering社製Scenargie)を導入し,シミュレーション実行環境を整備し,これを用いて,提案手法にたいして基礎的なシミュレーション評価を行った.ビーコン送信電力に関して複数のパターンを設け,これらの特性を確かめたほか,様々な車両密度,密度の偏りがある条件で提案手法と出力電力を固定とした場合について比較を行い,車両密度が高い条件では,提案手法によってより長い車間距離でのビーコン送信での受信成功率が高くなることを確かめた.また,車両の前後で車両密度に偏りがある場合には,提案手法を用いた場合密度が低い領域の先にある遠い車両からのビーコン受信率が低下することを確かめ,車両分布の偏りに応じた動的制御の必要性を確かめた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シミュレーション先行で研究を進めたため,初年度に計画していた各事故類型においてビーコンに求められる通知範囲,通知頻度に関する検討が,シミュレーションが容易な比較的単純なケースのみにとどまっている.また,開発した手法に関しては,当初の思惑とは異なるシミュレーション結果が得られることもあったため,方式の改良・検証に時間を要した.このため,当初予定していた関連技術との組み合わせの方式に関しては一部の方式との組み合わせの検討にとどまっている.
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度での基礎的なシミュレーションによって,提案手法の基本的な挙動の理解が深まっている.これによりこれまでの研究進行の若干の遅れは,研究計画全体の執行において大きな問題とはならないと考えている.今後は,まず前年度不十分だった各事故類型におけるビーコン通知範囲と通知範囲に関する検討を行ったのち,当初計画通り,提案手法と従来の関連手法の組み合わせ方式について検討を進める他,自動車だけでなく路側設備を含んだ場合の検討,マルチホップのビーコン伝送との組み合わせ効果,およびネットワークコーディングを組み合わせた技法への展開を行う.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当無し.
|
Research Products
(3 results)