2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥 寛雅 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 講師 (40401244)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ヒューマンインターフェース / 視覚特性 / 高速光学デバイス |
Research Abstract |
平成24年度は,人間の視覚特性に関する基礎的な調査と簡易的な実験を行った. 人間の視覚特性について基礎的な調査を行い,特に高速に動く輝点に対する残像特性はまだほとんど知られていないことが判明した. 次に,高速に動く輝点に対する人視覚残像特性を検証するための簡易的なシステムを構築した.具体的にはレーザーとガルバノミラーを組み合わせて前方のスクリーン上の任意の位置に輝点を提示するシステムであり,レーザーのon/offとガルバノミラー角度はマイコンから制御されるシステムである.ガルバノミラーは800usという高速な応答をもつため,ほぼ任意の位置・タイミングでレーザーを投影することができる. このシステムを用いて,被験者の前に運動する光の輝点を提示し,それに対する被験者の知覚を測定した.最初に,(a)輝点に対する残像特性について実験を行った.二つの輝点を順番に提示して,それらの前後を判定させることで弁別できるタイミングを計測した.この際に,被験者が注視している位置と輝点が表示される位置とのなす角度を複数変化させながら計測し,視野における角度の依存性も同時に計測した.この結果から,輝点の場合はこれまで報告されている何らかのパターンを表示した場合とは異なり,注視点の距離にはかかわらず弁別できる時間差はほぼ一定であることがわかった.(b)次に輝点を走査してスパイク状の像を提示し,そのスパイク数を回答させることで空間解像力と提示位置との関係を調べた.この結果から,既存研究で報告されている像の提示に比べて,輝点を提示した場合はその解像力は低下する傾向にあることがわかった. これらの結果に基いて,高速に移動するスクリーンに輝点を投影するシステムを構築した.本システムは既に開発されている高速視線制御システムにレーザープロジェクターを組み合わせたものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初平成25年度に行う計画であった,高速移動するスクリーンに輝点を投影するシステム構築まで完了したため.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き高速移動するスクリーンに対する人間視覚特性の計測を行い,さらにその特性に基いて大空間を移動する物体を利用して大きな像を提示することの可能性を検証していく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に必要な光学部品と電子部品の購入を予定している.
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Research Products
(3 results)