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2013 Fiscal Year Research-status Report

がん細胞仮想培養系を用いた増殖抑制効果の評価と予測

Research Project

Project/Area Number 24650156
Research InstitutionTokyo Metropolitan Institute of Medical Science

Principal Investigator

立野 玲子  公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, 主任研究員 (70150208)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小倉 潔  公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, 主任研究員 (70233492)
永山 勝也  九州工業大学, 大学院情報工学 研究院, 准教授 (70363398)
Keywords生体生命情報学 / バイオインフォマティクス / バイオイメージインフォマティクス / 細胞増殖シミュレーション / がん細胞増殖試験
Research Abstract

本研究は、がんスフェロイド培養過程の記録画像をもとに構築した仮想培養系を用いた増殖抑制の評価と予測をめざしている。昨年度までに、軟寒天培地での培養過程の記録画像から推定される増殖曲線と、増殖モデルから得られる増殖曲線がほぼ一致することが確認され、スフェロイド増殖モデルの設計と検証は概ね達成できていた。
今年度は、仮想培養系で得られたスフェロイドの深部では六方細密充填構造を形成しているが、表層では粗となっていることを確認し、構造についてもモデルを検証できた。さらに、深部から表層に向けて徐々に細胞世代数が進んでおり、スフェロイドでの細胞世代数の分布は増殖活性の指標になり得る可能性を見出した。
昨年度より既存抑制剤を用いた軟寒天培地での増殖試験が難航するなか、細胞分裂と細胞接着によってスフェロイドを形成する培養系が高い実用性を有することが判明したため、培養系を変更し、仮想培養系においても細胞接着を導入したモデルへと拡張するように計画を変更した。低倍率で記録した画像をもとにすることから、解析効率、さらには評価精度の向上も同時に期待できる。
今年度は、細胞に運動機能を導入し、ブラウン運動による細胞接着モデルを構築し、培養過程の記録画像でのスフェロイド個数と細胞接着モデルによるスフェロイド数がほぼ一致することと、記録画像からの増殖曲線と増殖・細胞接着モデルから得られる増殖曲線がほぼ一致することが確認され、細胞接着モデルを導入したモデルを検証した。
このように既存抑制剤を用いた増殖試験での増殖抑制効果の評価方法の開発が遅れているが、今年度で開発準備をほぼ整えることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成25年度の計画は、既存抑制剤を用いた増殖試験をもとに増殖抑制効果の評価方法の開発であった。本研究は、軟寒天培地での増殖試験を計画していたが、昨年度から進めている増殖試験で問題点が見つかったため、併行してスフェロイド培養系について調査してきた。細胞分裂と細胞接着から形成される培養系で高い実用性を有するものが見つかったため、培養系を変更することにした。開発元の協力により、その培養系での既存抑制剤を用いた増殖試験での記録画像を獲得できた。
細胞接着を導入して仮想培養系のモデルを拡張し、培養過程の記録画像でのスフェロイド個数と細胞接着モデルによるスフェロイド数がほぼ一致することと、記録画像からの増殖曲線と増殖・細胞接着モデルから得られる増殖曲線がほぼ一致することが確認され、細胞接着モデルを導入したモデルが検証できた。
このように既存抑制剤を用いた増殖試験での増殖抑制効果の評価方法の検討が遅れているが、今年度で準備をほぼ整えることができた。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度で、既存抑制剤を用いた増殖試験を仮想培養系で擬態して抑制効果の評価方法を開発する。増殖試験の主実験での記録画像からスフェロイド数、スフェロイド平面像の大きさ分布を解析して、細胞接着のための移動能力の低下、細胞数の減少を推定し、対照実験での結果を基準にして抑制効果を相対的に評価する。また、個々のスフェロイド内部の増殖活性についても、対照実験でのスフェロイドの内部の増殖活性を基準にして相対的に評価する。さらに、抑制効果の予測についてもスフェロイド分布と個々のスフェロイド内部に関して検討する。
今年度の前半では、細胞接着モデルについて、記録画像での解析結果をブラウン運動に基づくモデルへの反映法を検討するとともに、主実験と対照実験を比較した評価法を検討する。年度後半には加えて予測方法の開発へと進める予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

既存抑制剤を用いた軟寒天培地での増殖試験が難航し、スフェロイドを形成する培養系を変更することになったため、軟寒天培地での増殖試験の経費が繰越となり、次年度使用額となった。
研究分担者との打ち合わせのための出張旅費を計上していたが、研究分担者の所属大学での講演会で講演した後に打ち合わせを行ったため、大学から出張旅費が支給され、支出しなかった。そのため、計上していた出張旅費が次年使度用額となった。
次年度使用額となった助成金は、開発した仮想培養系の実証のための増殖実験に使用する計画である。仮想培養系で擬態計算されたスフェロイド内部の推定増殖活性とスフェロイドの断面試料での増殖活性の状態を比較するための断面の試料の作製に充当する計画である。次年度使用額となった出張旅費は、国際学会で研究成果を発表する際に使用する機器の購入と出張旅費として支出する計画である。
最終年度となり、これまで作成したプログラムのバックアップ、データの保存、資料の保存のための機器と媒体の購入に使用する計画である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2014 2013

All Presentation (5 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] がんスフェロイド増殖抑制の評価と予測に向けた数値シミュレーション2014

    • Author(s)
      伊藤 文音
    • Organizer
      日本機械学会九州学生会第45回卒業研究発表講演会
    • Place of Presentation
      福岡
    • Year and Date
      20140304-20140304
  • [Presentation] がん治療法の数理・情報学的基盤の研究開発 ─抗がん剤開発における評価と予測をめざして─2013

    • Author(s)
      立野 玲子
    • Organizer
      九州工業大学バイオメディカルインフォマティクス研究開発センター講演会
    • Place of Presentation
      福岡
    • Year and Date
      20131216-20131216
    • Invited
  • [Presentation] 3D structured models of multi-cellular cancer spheroids2013

    • Author(s)
      Minamikawa-Tachino, R., Itoh, A., Nagayama, K., and Ogura, K.
    • Organizer
      The 15th International Conference on Biomedical Engineering
    • Place of Presentation
      Singapore
    • Year and Date
      20131204-20131207
  • [Presentation] がん細胞のスフェロイド形成シミュレーションの試行2013

    • Author(s)
      立野 玲子, 赤池 早紀, 永山 勝也, 小倉 潔
    • Organizer
      第22回日本バイオイメージング学会 学術集会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      20130915-20130916
  • [Presentation] Growth simulation of multicellular cancer spheroid2013

    • Author(s)
      Minamikawa-Tachino, R., Akaike, S., Nagayama, K., and Ogura, K.
    • Organizer
      35th Annual Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
    • Place of Presentation
      Osaka
    • Year and Date
      20130703-20130707

URL: 

Published: 2015-05-28  

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