2014 Fiscal Year Annual Research Report
なぜ海馬裂の脳境界バリア構造は正常マウスで消失しリーラーマウスで遺残するのか?
Project/Area Number |
24650177
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺島 俊雄 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20101892)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Dab1 / ヨタリ / 貫通線維 / 海馬 |
Outline of Annual Research Achievements |
リーリンを欠損するShaking Rat Kawasaki(SRK ラット)とリーラーマウスでは海馬裂を貫通する嗅内野海馬線維(貫通線維)が走行異常を呈する。本研究はリーリンの下流で機能するDab1を欠損するヨタリマウスの貫通線維の発生を調べることにより、リーリンシグナル伝達系分子が海馬裂形成にいかなる関与を呈しているかを明らかにすることがである。初年度は成体ヨタリマウスの嗅内野にBDAを注入し、貫通線維を順行性に標識した。その結果、BDA標識線維は海馬裂を貫通せずに海馬裂の最深部を迂回し、海馬CA1, CA2の網状分子層および歯状回分子層に投射した。次にP0からP6までのヨタリマウスのホルマリン固定脳の嗅内野にDiIの微小結晶を置き、貫通線維を標識した(postmortem labeling 法)。その結果、DiI標識貫通線維が海馬裂を貫通できないことが明らかになった。第2年度は、海馬裂を挟む歯状回分子層と海馬網状分子層の表層に配列するアストログリアをGFAP抗体を用いて調べたところ、ヨタリではSRKラット、リーラーと同様にアストログリアの増殖があることが判明した。ラミニン抗体を用いて海馬裂の血管組織を調べたところ、とくに正常マウスと差は認めなかった。最終年度は、成体ヨタリの心臓から希釈したDiI溶液を含有する固定液で還流し、海馬裂の血管組織を調べたところ、毛細血管網の構築がヨタリで優位に発達していることが明らかになった。また正常マウス胎生14.5日(E14.5)胚にエレクトロポレション法によりdab1遺伝子の各種フラグメントとEGFPを側脳室の脳室帯に遺伝子導入を図り、生後に動物をサクリファイスして、標識貫通線維の走行異常の有無を調べた。現在、データを取得中である。
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Research Products
(6 results)