2014 Fiscal Year Annual Research Report
新奇被毛色突然変異マウスの系統確立と加齢変化に関わるエピジェネティクスの役割
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24650233
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石川 明 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (20211724)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝学 / 遺伝子 / マウス / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
以前に、申請者は、インドネシア産野生マウス由来の新しい毛色突然変異遺伝子を発見し、この遺伝子をC57BL/6JJcl (B6)近交系マウスに導入したコンジェニック系統を樹立した。兄妹交配による系統維持の過程で、典型的な突然変異個体の表現型(以後、赤眼個体と呼ぶ)とは異なり、加齢に伴って眼色および被毛色が濃く変化する新奇突然変異マウス(黒眼個体と呼ぶ)を発見した。本研究では、この新奇突然変異形質をもつ新たな系統を確立し、この変異形質の成因にエピジェネティクスが関与しているか否かを探る。 (1)突然変異系統の確立:赤眼および黒眼形質で固定した2つのサブラインを樹立するために、選抜交配を繰り返した。その結果、ほぼ目的とする形質に固定したサブラインを樹立できた。これらは、現在、近交15~17世代目にある。 (2)全ゲノムDNAメチル化解析:赤眼個体と黒眼個体のゲノムDNAを抽出し、次世代シークエンサーにより網羅的に全ゲノムDNAメチル化解析を行った。その結果、高メチル化領域または低メチル化領域を示す2本の常染色体を発見することができた。 (3)体外培養実験:昨年度に引き続き、赤眼と黒眼の新生仔の背部皮膚を採取し、体外培養を14日間行った。特に、黒眼個体の皮膚をチロシンの存在下で培養すると、メラニン色素産生細胞であるメラノサイトの割合が赤眼個体のそれより著しく増加していた。これは、メラノサイトへの分可能が赤眼と黒眼個体間で異なっていることを示している。
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