2012 Fiscal Year Research-status Report
薬剤投与に対する間質および粘液バリヤを評価する新しい分光測定系の構築
Project/Area Number |
24650282
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
丑田 公規 北里大学, 理学部, 教授 (60183018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 正浩 独立行政法人国立がん研究センター, その他部局等, その他 (80450576)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 細胞外マトリックス / 拡散係数 / 蛍光相関分光 / 間質バリヤ / 粘膜バリヤ / ドラックデリバリ / 抗がん剤 / 評価系 |
Research Abstract |
本年度は特に粘液バリア系の評価物質として有用であると考えられるムチン類の代表として、クラゲ由来ムチンを対象にして、その精製方法や、分析同定、ならびにバリア挙動に関係のあると思われる構造及び物性を調査した。具体的には、ムチン内に含まれるミネラルの同定と濃度分布および、採集地点の海水成分との関係を明らかにし、ムチン水溶液の粘度および表面張力、それらと疎水ならびに親水表面との間の接触角を測定した。またムチン水溶液とミネラル陽イオンとの結合定数を測定した。これらの物性はマトリックスとしての粘液の性質として重要であり、目的のドラッグの持っている荷電数によって拡散係数が異なったり、マトリックス上にトラップを受けたりする可能性がある。したがって、荷電数がよくキャラクタライズされた試料を用いる必要がある。また水溶液の表面張力や接触角測定によって得られる「濡れ性」は粘膜表面に於いて密な粘液膜のバリヤ空間が出来るかどうかの物性に大きく関わっている。本研究ではこれらの物性の濃度依存性を調べた。 実験結果として、ムチン水溶液はいくつかの特異的な性質を持つことが判明した。まず接触角が小さく、表面の濡れ性を維持する力が他の化合物より強いこと、また濃度が濃いほど表面張力が低下し、界面活性剤としての性質を有することがわかった。そのため乾燥などで濃度が増加して、粘度が増大した状態でも、濡れ性は維持され安定な粘膜バリヤを作りやすいことがわかった。 一方がん研ではドラッグデリバリ分子の蛍光ラベルを行い、分子量の異なったドラッグのラインナップを作り上げた。これで次年度測定への準備が整っている。 またスペイン並びに韓国で開催された国際会議に参加し、研究発表をするとともに糖鎖高分子とその応用に関する貴重な情報を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
もともと理化学研究所に設置していた装置を北里大学に移設したが、新実験室における蛍光相関分光測定装置が自作のもので調整方法を抜本的に見直している関係で、装置の稼働が遅れている。実験参加者が学部4年生しかおらず、測定をある程度ルーチン化して、使いやすくし、丁寧なマニュアルも作成しないと学生が対応できないので、予定が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りルーチン測定を進める予定である。 測定時の温度のコントロールや設定に配慮が必要である。特に体温付近の温度と室温の開きが、どのように測定に影響するかを吟味する必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き、試薬や光学機器などの消耗品購入、学会参加活動の旅費などに充当する。
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