2014 Fiscal Year Annual Research Report
コオーディネーショントレーニングの観点を導入した伝承遊びの教材化
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24650377
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
續木 智彦 西南学院大学, 人間科学部, 講師 (60468791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 健 日本体育大学, その他部局等, 教授 (60125698)
亀山 有希 日本体育大学, その他部局等, 准教授 (00413104)
木下 佳子 日本体育大学, その他部局等, 助教 (90614446)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自己組織化 / 子どもの文化 / 身体形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
伝承遊び(まりつき、石けり、おにごっこ、なわとび)には「運動的要素」を「スポーツ」などの行動水準におけるスキルへと効果的に展開する能力とされる荒木のコオーディネーション理論の、①平衡能力(姿勢のバランスをとると同時に、バランスの取り方を自由に変えられる能力)②定位分化能力(周りの状況を的確に判断し、必要な動きで対処できる能力)、③反応リズム能力(タイミングをとる、適切に反応するなどの動きを流れでつかめる能力)④運動結合・変換能力(いくつかの動きを統合させてパターン化するとともに、それを自由に組み換えることができる能力)を育む栄養素が含まれている。完成を求めない、定型化することを嫌うコオ-ディネーションの考え方は、「子どもの文化」の特徴である自由度に合致するものであると考えられる。例えば、まりつきは、単調な流れの中での動きではなく、節の長さもリズムも多様に変化する歌の中で、ボールをコントロールしながらその場の状況を読んでそれにあった動きをしたりする。この遊びの特徴は、コオーディネーション能力の「反応リズム能力」や「定位分化能力」、さらには「運動結合変換能力」を育む要素を含んでいると考えられる。伝承遊びには、自分のからだの他、道具を操作したり、歌のリズムに合わせるなど、総合的にからだを動かすといった「変化性」や、場の状況を読んでそれにあった動きをしたりする「流動性」がある。またあそび方には一定のルールがあるが、それは未定型で、自分たちで自由に変形し工夫し発展できる「多様性」がある。「からだと動き」の育ちそびれを克服するためには、「スポーツの学習」と「からだと動きの耕し」を往還する学習として、コオ-ディネーション能力の観点から、「伝承遊び」を教材化し、体育授業と並行して動きづくりのドリルワークとして実践することで、大きく貢献することができると考えている。
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Research Products
(2 results)