2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体電気インピーダンスの高時間分解能測定による投球動作の判別
Project/Area Number |
24650386
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 隆夫 岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (00249856)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生体電気インピーダンス / 高時間分解能 / Cole-Cole円弧 / 投球動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究では、前腕部内側部に電極を装着し、前腕部中央部のインピーダンスを計測してきた。このインピーダンスを用いれば、4つの投球動作(通常の投球、・前腕部が強く回内する投球、・前腕部を回外する投球、・肘関節を強く伸展させる投球)を判別的中率95.8%で判別が可能であった。 本研究においては、まず前腕部において12カ所の測定部位を設定し、この中でも最も6つの基本動作(掌屈、背屈、橈屈、尺屈、回内、回外)に対するインピーダンスパラメータの感度が高い、もしくは繰り返し測定の再現性が高いなどの観点より、動作検出に最適な測定部位が橈骨手根屈筋の手関節側であることがわかった。 この部位にて、ボールの加速時に背屈が最大となる時刻から0.1、0.2、0.3、0.4、0.5 s後の5つのパラメータ(Z0、Z∞、Ri、fm、β)の変化率(合計25個)を判別分析のパラメータとした。判別分析の結果、従来の測定部位およびパラメータで得られた判別的中率95.8%を超える96.7%の判別的中率を得ることができた。 さらに、この判別分析のための25個のパラメータの中で、どのパラメータが判別への影響が大きいかについて分析を行った。すべての被験者で判別分析のF値が2を超えて判別に特に寄与しているパラメータは0.1 s後のβ、0.3 s後のZ∞、0.3 s後のfm、0.4 s後のfm、0.4 s後のfmの5つであった。周波数特性の中心周波数fmが判別分析に大きく影響を与えた要因として,回内と回外,橈屈と尺屈におけるfmの変化方向が他のパラメータ変化方向と逆方向でそれぞれ大きく変化し,それらの運動に対する感度が高かったためと考えられる。
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