2013 Fiscal Year Research-status Report
味覚情報伝達機構からみたGABA添加塩の減塩効果の有用性についての研究
Project/Area Number |
24650484
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Research Institution | Kyoto Bunkyo Junior College |
Principal Investigator |
森 美奈子 京都文教短期大学, 食物栄養学科, 准教授 (30469530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植野 洋志 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (30241160)
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Keywords | 食品 / 機能性成分 / 減塩 |
Research Abstract |
減塩は、生活習慣病の予防、高血圧症、腎臓病、心疾患にとって有効な予防・治療効果であるが、減塩の食事療法のために現在市販されている減塩塩はカリウム塩が主であり、塩分制限と同時にカリウム制限が必要である腎疾患患者や心疾患の患者には使用が制限される場合がある。味覚の面でもナトリウム塩に比べて官能的に劣る。 そこで、すでに奈良女子大学植野(研究分担者)らによって報告されている GABA(γ―アミノ酪酸)の塩味増強効果を利用し、食塩そのものの量を減らしても減塩前と同じ塩味を感じることができる味覚の情報伝達機構からみた新たな減塩塩の有用性についての研究を行い、生活習慣病の予防や減塩が必要な疾病の治療に役立てることを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずは、GABAを多く含む物質を添加した食塩の味覚面での減塩効果の有用性を実証するために、既存の食塩、既存の減塩塩(カリウム塩)と減塩効果が推測される食品を添加した食塩水の官能比較評価を実施し、最も効果的な減塩効果のある添加濃度を決定できた。 また、科学的な面での減塩効果を実証するために味覚センサーによる味分析を実施し、減塩効果のある食品を同定することができた。また、適切な添加濃度も確認することができた。さらに減塩効果のあった物質のGABA含有量を測定し、味覚面でのGABAを多く含む物質の減塩効果との関連性を実証できた。また、官能評価では、被験者の食塩閾値の簡易測定も実施し、味覚閾値正常群に於いての減塩効果も確認できた。概ね全体の研究計画では、遅れることなく順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね推察された結果は得られたが、さらにGABAの味覚面での減塩効果を実証するためにGABAの合成酵素であるGADとの相関関係についても実証していきたい。また、減塩効果のある物質を添加した減塩塩の調理面での応用についても検証し、Na含有量を減少させ、美味しくて無理なく減塩できる新たな減塩食事療法の有効手段を確立する。 これまでに得られた研究結果を取りまとめ、成果の発表を行い、さらに減塩食事療法の媒体を作成し、生活習慣病の予防・治療に役立てて行きたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費、旅費、検査費用が当初の見積もりよりも少なくなったことと、一部予定の検査費用が次年度にずれ込んだため。 今年度は、研究の集大成として、追加の検査、論文投稿、資料作成等の費用として使用する予定である。
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