2014 Fiscal Year Research-status Report
味覚情報伝達機構からみたGABA添加塩の減塩効果の有用性についての研究
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24650484
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Research Institution | Kyoto Bunkyo Junior College |
Principal Investigator |
森 美奈子 京都文教短期大学, 食物栄養学科, 准教授 (30469530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植野 洋志 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (30241160)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 食品 / 機能成分 / 減塩 |
Outline of Annual Research Achievements |
料理の美味しさは塩味に依るところも大きく、減塩を必要とする患者にとって、QOLを低下させないためにも継続的に無理なく美味しく減塩することは重要な課題である。そこで、すでに報告されているGABA(γ―アミノ酪酸)を介した味覚情報伝達からみた塩味増強効果を利用し、食塩そのものの量を減らしても減塩前と同じ塩味を感じることができる新たな減塩効果のある食塩の有用性を実証し、生活習慣病の予防や減塩が必要な疾病の治療に役立てることを目的とした研究を実施している。 研究方法としては、食塩水に少量の添加では塩味を阻害しない物質を官能試験により模索し、高速液体クロマトグラフィーでGABA含有量を測定し、味覚センサーによる味分析で塩味増強効果を確認した。さらに、倫理審査委員会で承認を得られた女子学生22名を被験者として食塩味覚閾値判定ろ紙を使用した味覚スクリーニング検査を実施し、正常域とされている0.6%濃度の塩分感知濃度のあった者21名を被験者として、0.9%食塩水を対照として、添加物質+0.9%濃度食塩水の官能試験を実施し、ヒトの味覚による塩味増強効果を確認し、添加物質の減塩効果の有用性について検討をした。 これまでの研究結果として、味覚センサーでは、GABA含有量の多いギャバロン茶、発芽ブロッコリーで塩味が強く呈していることが確認された。ヒトの官能評価でも0.9%食塩水と比較して、塩味が強いと感じるものが多くみられた。食塩にGABAを多く含む物質を添加することで塩味が増強され、食塩量を減らしても美味しく減塩が出来ることへの可能性が示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ解析途中で、追加分析が必要なデータ収集の必要が生じたために、現在、データの収集を行い、分析中であるために、成果報告にやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの結果を踏まえて、追加で収集するデータを集め、更に分析を進めていく予定である。今年度中には、最終結果を論文にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画にやや遅れが生じたために、使用計画予定の費用に残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加データの分析のための検査費、人件費、最終成果報告費用に使用する予定である。
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