2013 Fiscal Year Research-status Report
麻ひ性貝毒含有二枚貝の嗜好性を高める除毒調理法の確立
Project/Area Number |
24650485
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
橋本 多美子 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 准教授 (60248325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相良 剛史 尚絅大学短期大学部, 食物栄養学科, 講師 (60353132)
遠藤 千鶴 四国大学短期大学部, その他部局等, 教授 (90098749)
江戸 梢 四国大学短期大学部, 人間健康科, 助教 (40551015)
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Keywords | 麻痺性貝毒 / カキ / 除毒調理 |
Research Abstract |
本研究は麻痺性貝毒で毒化した二枚貝より安全に除毒できる調理法を検討するとともに、呈味成分の分析により嗜好性を高める調理加工法を確立するものである。 今年度は、昨年度除毒効果のあった茹でる操作を行い、毒化カキの加熱時間が除毒状況に与える影響について検討した。試料は2013年に大阪湾で採取された毒化カキで、摩砕してpH未調整と、pH7.0およびpH7.2にpH調整したものをそれぞれ耐熱容器中で茹でる調理を行った。pH未調整とpH7.0での加熱調理では除毒効果はみられず、高毒性成分の割合が増加するなど、低毒性成分からの変換が認められた。一方、pH7.2での加熱調理では11.4nmol/gの毒量が加熱5分で1/3、加熱15分では1/10まで減少した。pH7.2下の処理では加熱時間経過とともに毒量が著しく減少し、15分の加熱調理で除毒が可能であることが確認された。 また、毒化カキに含まれる呈味成分を調べたところ、核酸の主成分はイノシン酸で、70%以上を占めた。遊離アミノ酸はタウリンが約60%を占め、グルタミン酸、アラニン、グリシン、アスパラギン酸を多く含んでいた。pH7.2での加熱処理では15分以上加熱することで遊離アミノ酸は約20%減少したため、長時間の加熱により嗜好に影響を与える可能性が考えられた。 次いで、一般調理への応用として、除毒処理したカキを使ってロールキャベツを調製し、一般調理が除毒に与える影響について検討した。その結果、pH7.2に調整した試料でのみ毒量の減少が認められた。しかし、均一に除毒するには一般調理では難しかい傾向にあったため、今後は均一な除毒が可能な加工食品について検討する必要があると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
麻痺性貝毒の除毒が可能な一般調理条件を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は麻痺性貝毒の除毒効果を持つ食品のスクリーニングとともに、加工食品への応用を試み、呈味成分の残存量と官能評価による嗜好性について評価する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分担者の方では安全性の確認のために消耗品を購入する予定であったが、昨年購入した試薬で分析が可能であったため、予定額よりも使用金額が少なくなった。平成26年度は研究の進捗状況から分析試料数の増加が見込まれることから、次年度に繰り越し、必要な消耗品の購入に充てたいと考えている。 平成26年度は除毒のスクリーニングも行う予定であり、分析試料が増加する予定である。この分を含めて麻痺性貝毒の安全性の確認を行うために残予算を使用する。
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Research Products
(1 results)