2014 Fiscal Year Annual Research Report
麻ひ性貝毒含有二枚貝の嗜好性を高める除毒調理法の確立
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24650485
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
橋本 多美子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (60248325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相良 剛史 尚絅大学短期大学部, 食物栄養学科, 講師 (60353132)
遠藤 千鶴 四国大学短期大学部, その他部局等, 教授 (90098749) [Withdrawn]
江戸 梢 四国大学短期大学部, 人間健康科, 助教 (40551015)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 除毒 / 麻痺性貝毒 / 調理 / 野菜 |
Outline of Annual Research Achievements |
麻痺性貝毒で毒化した二枚貝より安全に除毒できる調理法を検討し、弱アルカリ下で茹でることで除毒効果が認められた。また、毒化カキを用いてロールキャベツを調製したところ、同様の結果が得られた。そこで、本年度は、麻痺性貝毒を減毒させる食材のスクリーニングを行うと同時に、カキ以外の毒化二枚貝からの除毒効果をpH条件の面から検討した。 2013年大阪湾で毒化したムラサキイガイ(230MU/g)を試料とした。剥き身にした貝を磨砕し、pH7.0およびpH7.2に調整した後、茹でる操作を行なった。加熱試料は限外ろ過にて得られた分子量10,000以下の画分をHPLC分析に供した。その結果、pH7.2に調整した試料で除毒効果が大きく、加熱5分で54%、10分では約86%、15分では92%の毒量の減少が認められた。除毒調理が貝の呈味成分含量に与える影響を調べるために核酸および遊離アミノ酸を測定した。核酸含量は加熱15分でpH調整の有無に関わらず24%減少した。また、ムラサキイガイにはグリシン、アラニン、グルタミン酸、アルギニンなどの遊離アミノ酸が多く、加熱調理により最大13%の減少がみられた。 一方、ロールキャベツに使用した食材を中心に8種の食材と磨砕したムラサキイガイの磨砕物を1:1で混合し、除毒調理を行った結果、大根、れんこん、人参で減毒率が高く、とくに大根においては検出限界以下となり、除毒が認められた。しかし、pH未調整試料よりもpH調整試料で除毒効果は高く、食材のもつ有効成分の影響よりもpHの影響が強いことが示唆された。
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Research Products
(4 results)