2012 Fiscal Year Research-status Report
携帯電話と自動WEB種同定システムによる一般参加型の高精度生物調査手法の確立
Project/Area Number |
24651040
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
山中 武彦 独立行政法人農業環境技術研究所, 農業環境インベントリーセンター, 主任研究員 (50354121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 至伸 独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (30354088)
大澤 剛士 独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (40554332)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 一般参加型調査 / 自動同定システム / 携帯電話 |
Research Abstract |
携帯端末(主要携帯電話機種およびスマートフォン各機種)で撮影した写真をメール送信することで、生物地理情報が収集できる携帯調査データベースの運用を開始した。このシステムを使って、大阪の中学校、箱根自然ビジターセンター、みなくち子どもの森自然館など複数の研究・教育機関で、一般参加者とともにトンボを中心とする生物観察会を行った。観察会では、生物情報を収集する意義や、トンボの生態についてのレクチャーを行った後、調査方法を説明して自由観察を行った。実施した総ての観察会で、携帯調査データベースは、システム上のトラブルもなく好評であった。参加者は、撮影したトンボの画像が地図で表示されることに、感銘を受けていた。 また、携帯調査データベースと連動する自動同定システムの試作を行った。携帯調査データベースに送られてきた写真の電子情報から、写真が撮られた場所・日時を特定し、データベースに格納しているトンボの生態情報をマッチングさせて、出現可能性の高い種のランキングを返すことに成功した。トンボ成虫の全体写真をランキング表示するだけではなく、細かい特徴やよく似た種のリストや区別点をまとめた同定支援ページを作成することで、ユーザの自己学習促進を意識するコンテンツ作成につとめた。さらに、同定精度を高めるため、琉球大学の立田晴記准教授と共同で、写真からトンボの形態(輪郭)や色情報を切り出して判別分析を行うアルゴリズムの開発に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
携帯調査データベースを導入して、平成24年度前半には、実際の生物観察会で運用できる状態にこぎ付けた。これに連動する自動同定システムの試作についても、生態情報パッケージが実現し、ランキング表示画面、同定支援ページのコンテンツ作成が順調に進んだ。一方、自動同定システムの中の形認識パッケージおよび色認識パッケージについては、システムに組み込むところまで進められなかったが、アルゴリズムの開発に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
日本全国の博物館、教育機関と連携してトンボ携帯調査を進める。調査を行う中で、同定システムの精度、ユーザビリティを検証し、さらに改良を行う。同定精度向上のため形認識パッケージ、色認識パッケージの開発を急ぎ、システムへの統合を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
同定システムの精度やユーザビリティの向上のため、システム改修に30万円ほど使用する。残り48万円は、今年度、沖縄・大阪・神奈川・茨城で計画しているトンボ観察会での旅費として使用する。
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