2012 Fiscal Year Research-status Report
非可逆的酵素阻害反応によるトリパノソーマ症治療薬の開発
Project/Area Number |
24651254
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 紳一郎 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 教授 (00183898)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | トリパノソーマ症 / 阻害剤 / 自殺基質 / ナノ微粒子 / イメージング |
Research Abstract |
本研究にてデザイン・合成している非可逆的シアリ ダーゼ阻害剤がTcTsの活性部位において本質的な求核性アミノ酸残基として不可欠であるAsp247の機能を共有結合形成により完全にブロックできるという新しいユニークなメカニズムに基づき、その薬理作用とその持続性などの効果を最大化するために金ナノ微粒子等表面への固定化の際、分子を配向制御した新たな集積提示法を開発する ことを目的とした。 本年度は阻害剤の大量合成法の確立、およびホスフォリルコリン(PC)型表面被覆リンカーにより非特異的吸着反応を完全に消去した金ナノ微粒子への候補化合物誘導体の提示法を確立した。今回新たに作製したいくつかのTcTs阻害剤を我々が広く糖鎖提示法として既に確立した再現性の高い信頼できるプロトコルに従い反応性ナノ微粒子に提示 する技術を開発した。 この際、TcTs阻害剤のナノ微粒子表面における密度はアミノオキシ基リンカーの密度をコントロールすることで規定された。この原理に基づいてTcTs阻害剤の表面密度の異なる種々のTcTs阻 害剤提示ナノ微粒子を作製した。 また、リコンビナントTcTs(Bioorg. Med. Chem. 18,1633-1640,2010)を用いたin vitroでの酵素阻害活性反応におけるナノ微粒子表面におけるクラスター効果の評価について現在評価検討中である。また、海外パートナーのグループとの議論により、動物実験プロトコールを検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた全ての化合物の合成を達成した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って今年度は予備的な活性評価を行うとともに、ブラジルの研究チームでの評価実験を開始する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品、試薬類など計画的に購入・使用していたため、当初予定よりも若干支出を押さえることができた。その分は当年度に無理に使用せず次年度へ繰り越すこととし、論文投稿や学会発表、研究加速のための試薬購入などに使用する計画である。
|
Research Products
(5 results)