2012 Fiscal Year Research-status Report
発展途上国における教育と保健を統合した新たな国際開発研究の展開
Project/Area Number |
24651273
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澤村 信英 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (30294599)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
デロスレイエス C 大阪大学, 人間科学研究科, 非常勤講師 (10599252)
中村 安秀 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60260486)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際開発学 / 教育学 / 保健学 / 発展途上国 / 地域研究 |
Research Abstract |
国連で合意した国際開発目標の中心は教育と保健の課題であり、この2分野は密接に関連している。したがって、教育と保健の各分野における研究には膨大な蓄積がある一方で、一部の計量的分析を除けば、2分野は融合することなく、個別に研究成果が並べられることが多い。これは現実の対象に合わせて調査研究の枠組みを新たに構築するのではなく、調査者があらかじめ設定した枠組みに現実を逆に当てはめようとするために起こることである。 本研究では、教育と保健を統合した研究を目指し、それぞれの分野の専門性を有する研究者によりフィールドワークを合同で行い、研究成果を協働して紡ぎだすことに特徴がある。これが実現できれば、途上国を対象とする国際開発研究において人間科学的な側面を一段と強化できる。 平成24年度は、準備段階として、研究全体の方向性を関係者で共有し、教育と保健の両者を同時に対象とした研究論文のレビューを行った。その後、現地予備調査としてラオスを対象に澤村(教育)とデロスレイエス(保健)による合同調査を行い、研究計画の妥当性の確認、解決すべき研究上の課題を整理した。 具体的には次の事項を行った。(1)研究目的・計画・方法の共有、研究上の課題・フィールドワーク技法の検討、(2)関連文献の整理とレビュー、(3)ラオス予備調査の実施、(4)調査結果の整理分析、結果の共有(5)研究計画全体の再検討、25年度調査方針の策定。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラオスでの予備調査を計画どおりに実施、調査結果の整理分析、および結果の分析を予定どおり行うことができた。とくに研究上の課題が明らかになったのは収穫であった。これらは、研究計画全体の見直しをする機会にもなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き教育と保健の研究者による共同フィールドワークを実施する。アジア・アフリカ地域間での比較研究の可能性を想定していたが、ケニアおよびその周辺国など、アフリカ地域内での比較研究も検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の予備調査の結果を踏まえ、ケニアにおいて本格調査を行う。その際、柔軟性のある研究枠組みを構築し、円滑にフィールドデータの収集および解釈ができるよう、現地共同研究者と密接な調整を行う。研究成果の中間報告として、国際開発学会(国内)、国際学会などの大会を活用し、他の研究者とも積極的に交流を図る。 具体的には、次の活動を行う。(1)ケニアでの本格調査の実施、(2)公開シンポジウムの開催(アフリカ教育研究フォーラムの場を活用)、(3)学会における研究成果中間発表。
|
Research Products
(1 results)