2012 Fiscal Year Research-status Report
“からだ”とテクノロジーを巡る芸術表現の変遷~身体知覚とアートの新たな領域~
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24652032
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
北村 明子 信州大学, 人文学部, 准教授 (40334875)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 身体表現技法 / 舞踊芸術 / 振付演出論 / 身体技法とテクノロジー / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本年度は、音楽表現・映像表現・身体表現における視覚的・聴覚的感覚効果から、芸術表現技法を考察するにあたり、その実験段階として、映像・サウンドインスタレーション空間を設置、空間内での音響・映像効果がダンスの動きや振付システムへの影響をリサーチした。 考察の方法論を構築するため、1)舞踊表現における身体の運動の分析 2)超指向性スピーカー、CCDカメラを設置、プロジェクター(床打ち)を設置した空間で、身体の運動や音や映像が舞台空間に与える情報の相互作用をリサーチ・分析するための映像ドキュメントの作成を行った。1)では、筆者が振付を担当し、ダンサー西山友貴が実際の動きを担当。身体機能と表現内容を照らし合わせ、できる限り既成の舞踊身体語彙を使用せず、テーマに合わせて振付実践研究を行った。2)では、映像コンテンツを兼古昭彦が作成し、プロジェクターから3か所の床に投影。投影ファイルの速度可変再生表示、複数映像の同時再生、投影位置、サイズの可変、3D空間におけるXYZ軸での映像フレームの回転を可能とするシステムを考案。音楽コンテンツについては、横山裕章が作曲、森永泰弘が採録した環境音をミックスダウンし、通常のスピーカーと超指向性スピーカーを使い分け、空間における音響効果を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた欧州海外渡航を実施できなかった部分が生じたが、これは、海外のマルチメディア芸術表現研究発表が国内各イベントや展示会などで多数なされていたため、予想より多くの領域に渡って国内にてリサーチが出来る、効率の良さを優先したことによる。また翌年度予定していた、映像投影空間における実践的研究の実験を既に実施しているため、全体評価・分析、ドキュメンテーションについての、今後の更なる課題が、より具体的研究内容として明確化し、結果、実質的には計画通り、順調に進展している。また実践面での問題解決にあたり、多くの専門家、研究施設の協力を得ることができ、研究内容の焦点を絞ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、今年度既に実施した実践研究成果を踏まえ、身体の運動や音や映像が舞台空間に与える情報の相互作用についての演出の方法論化を図る。光の点滅の速さ・色味・内容が身体に与えていく情報影響などについて実験を重ね、映像の内容が与える情報と身体の運動との関連性についてのより詳細の分析・リサーチ、考察を行う。またそれらの実践研究発表を実施し、ドキュメンテーション化し、論文などへと文書化する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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