2013 Fiscal Year Research-status Report
アジア圏学習者を対象とした音声・テキスト連動型英語発話コーパスの構築と分析
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24652120
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 慎一郎 神戸大学, 国際コミュニケーションセンター, 教授 (90320994)
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Keywords | 学習者コーパス / 発話 / 音声公開 |
Research Abstract |
(年度実績概略)英語学習者発話コーパス(ICNALE-Spoken)の開発のための予備研究として,著作権に配慮した音声加工方法,音声データとテキストデータの関連付けなどについて基礎的な調査・考察を行う(※本研究の成果に基づく実際のコーパス開発は進行中の別科研側で行う。2つのプロジェクトは有機的に連携させ,計画の効率的進捗を目指す。) 1)音声加工方法の確定:従来の学習者発話コーパス開発では,発話を書き起こしたトランスクリプトは公開されるものの,学習者の匿名性の確保の観点から,音声データそのものの公開はほとんどなされていなかった。音声データの公開を可能にするには,元の音声データが持つ各種のパラメタを機械的に加工し,発話者特定ができなくなるよう,音調を変更することが必要になる。本年度は,発話者が特定できない程度まで音調を変化させると同時に,音声としての理解可能性が維持されるような変換上のパラメタをボトムアップ的に検証した。その結果,一定のパラメタセットを特定し,音声変換システム(ASMS)の開発上の仕様をかためた。 2)音声データとテキストデータの関連付け:試行的に収集したデータを対象に,文字書き起こしを行い,音声データと同時公開するシステム開発のための詳細スペックを決定した。 3)学会などでの発表:イタリアで開催された国際辞書学会はじめ,内外の複数の学会で研究発表および論文発表を行い,成果の発信につとめた。 4)プロジェクトの広報:科研プロジェクトの性質をふまえ,プロジェクト専用のウェブページを開発・管理し,詳細な研究の進捗状況の公開と広報につとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
達成度の判断根拠 1)音声加工方法の確定:音声変換にあたっては,ピッチとフォルマントのおのおのについてパラメタを特定する必要がある。今年度は,事前に決めた各種の組み合わせに基づき実際に音声変換を行い,研究代表者が変換後の音声の発話者特定不可度と音声理解可能度を実地に確認した。これにより,大規模な適用の前提として,適正なパラメタセットの候補を複数特定することが一定の範囲でできたため。 2)音声データとテキストデータの関連付け:試行的に収集したデータに対して実際に文字書き起こしを行い,問題点を明らかにするとともに,書き起こしの妥当性の検証を行うことが一定の範囲でできたため。 3)学会などでの発表:イタリアで開催された国際辞書学会はじめ,内外の複数の学会で研究発表および論文発表を行うことが一定の範囲でできたため。 4)プロジェクトの広報:プロジェクト専用のウェブページを開発・管理し,詳細な研究の進捗状況の公開と広報を行うことが一定の範囲でできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は本科研の最終年度にあたるため,各要素について以下のように取り組む予定である。 1)音声加工方法の確定:確定したパラメタセットを任意に指定することで,大量の音声ファイルに対して一括して音声変換処理を行うことを可能にする新システムASMSの仕様詳細を確定し,試行版の開発につなげる。 2)音声データとテキストデータの関連付け:試行的に収集したデータおよび文字書き起こしデータについて,ベータ版での公開を目指す。 3)学会などでの発表:これまでの成果を内外の複数の学会で研究発表および論文発表する。 4)プロジェクトの広報:プロジェクト専用のウェブページについては,引き続き情報発信を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度使用予定の金額のうち,翌年度に143,299円を繰越したが,これは,試行的に収集したデータの書き起こし作業などが,一部,当初の予定よりずれ込んだためである。繰越分は翌年度に執行の予定で全体の計画には変更は生じない。 新年度については,当初の年度配分予定額と,今年度から繰越しした143,299円を一体的に執行予定である。全体の計画には変更は生じない。
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Research Products
(9 results)