2014 Fiscal Year Annual Research Report
口頭芸ジャンルの盛衰史―メディア文化史記述における口承文芸研究の基礎領域化―
Project/Area Number |
24652170
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
真鍋 昌賢 北九州市立大学, 文学部, 教授 (50346152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 明宏 帝京大学, 文学部, 准教授 (20412801)
岡田 祥平 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20452401)
上田 学 早稲田大学, 文学学術院, 日本学術振興会特別研究員 (80546143)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メディア / パフォーマンス / 口承文芸 / 文化史 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる2014年度は、これまでの資料収集をふまえた論文の執筆を各自が進めた。学術雑誌の特集としてそれらの論文の活字化を予定(2016年度)している。真鍋→漫談、上田→映画説明(活動弁士)、岡田→競馬実況(アナウンサー)、細田→浄瑠璃に焦点をしぼり、掲載用論文を執筆中である。 本年度は以下の通り、口頭芸研究会を開催した(それぞれの研究会では、進捗状況を報告しあった)。①1930~40年代を焦点として浪曲映画の上映会(研究会)をおこなった。上映後、間メディア的、間ジャンル的な視点から近代を見渡す必要性・方法論についての討議をおこなった。②この研究会では、口頭芸という概念をどのように設定するのか、また研究範囲をどのようにイメージするのかという問題意識を共有しながら研究会を開催してきた。最終年度では、芸能の外側へと射程をのばしていく試みとして、「宗教者の声を聴く―口頭芸研究の対象として―」というタイトルで研究会を開催した。土居浩氏と真鍋がおたがいに話題を提供し、芸能と宗教の境界を問うなかで、声がつくりだす共同性について議論をおこなった。政治・宗教・芸能という領域が不可分なものとしてイメージされるべきであるとの見解のもとで討議をおこない、その境界を問うことによって文化政治学的なテーマをひろく設定できる可能性というテーマの共有に至った。 派生的に得たテーマとしての「地域のなかの大衆文化」についても進展があった。本研究会では、松永文庫の資料調査を継続しておこなっているが、研究の方向性を探るために、凪恵美氏(松永文庫学芸員)に「地域文化としての映画」という視点で松永文庫の所蔵資料の概要、北九州における映画の近現代史のポイントについてレクチャーをしてもらった。
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Research Products
(9 results)