2013 Fiscal Year Annual Research Report
化学物質管理と企業収益を両立するための,化学物質管理を環境会計に接合する試み
Project/Area Number |
24653083
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
入江 信一郎 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助手 (90324722)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 直樹 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (90451377)
松田 温郎 大阪経済大学, 経営学部, 講師 (60632693)
|
Keywords | イノベーション / 環境問題 / 化学物質管理 / 環境会計 / アクターネットワーク理論 / 状況論 / 事例研究 / 方法論 |
Research Abstract |
最終年度となる2年目の本年度は、初年度に引き続き、事例研究の方法論を検討しつつ、以下の3点について問題解決を志向した介入型の調査を行った。(1) 化学物質管理の容易な水準を探索するために、世界で最も厳格だとされる化学物質管理規則とされるEU(欧州連合)のREACH が実施されているフランスのなかでもより化学物質管理志向が強いと考えられるエコビレッジと有機農家を調査した。(2) 化学物質管理の高度な水準を探索するために、極めて微量の化学物質で重篤な体調不調をきたす「化学物質過敏症」の現状を調査した。(c)トップマネジメントの意思決定に利用可能なマテリアルフローコスト会計と化学物質管理の接合の可能性を探索した。その結果、以下の知見を得ることができた。 (1) REACHが実施されているフランスの東部と西部にあるエコビレッジと有機農家においてですらも、生体負荷が高いラウリル硫酸ナトリウムなどの合成洗剤が、生分解性が高いことからエコラベルを付されて使用されていた。このことから、より高度な化学物質管理の余地は大と推測できた。 (2) 化学物質過敏症が治療可能な生活での資材と環境は具体的に特定できる可能性が高いことが明らかになり、これらを手がかりに化学物質管理の高度な水準とする案を着想した。 (3) マテリアルフローコスト会計に化学物質管理を接合することが進めにくい理由として、トップが「化学物質」を議題に挙げたがらないことが明らかになった。そして、接続のためには、いったん化学物質管理を「環境マネジメント」の一部とし、この「環境マネジメント」とであればマテリアルフローコスト会計との接続可能性があることが明らかになった。 申請時には、これらの知見をもとに2年目に介入型の発表を行う計画であったが、2年間では調査で精一杯であった。介入型の発表については、2015年度の基盤Cを申請して行うことにした。
|
Research Products
(13 results)